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ふるさと探訪 タイムスリップ・インザイ【No.10】

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千葉県印西市

■天王様(てんのうさま)
天王様とは「オタチ・オダチ(御太刀)」「祇園(ぎおん)」とも呼ばれる、悪疫退散などの願いが込められた祭礼です。市内では、7月中旬から下旬にかけて古新田、小林、中根、竜腹寺地区などで行われています。昭和60年代から平成初めの調査では、平岡、鹿黒、六軒、草深、泉新田、船尾、多々羅田、平賀、吉高、山田、瀬戸、萩原、岩戸、吉田地区でも行われていたことが分かり、下井、酒直卜杭、安食卜杭地区などには、祭礼で使われていた木太刀が今でも残されています。
天王様で使われる大きな木製の太刀は、祭礼に欠かせないものです。古新田では、消防団の青年たちが、わら縄を綯(な)った太縄を結び付けた太刀を持って各家を回り、庭で太刀を振り上げ、3回地面をたたきつけて悪霊・悪疫を鎮めます。
古代の都では、春から夏にかけて疫病がまん延することが多く、これを疫神のたたりとして、京都八坂神社では祭神を祭る祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)が盛んに行われており、その後、地方に伝わったといわれています。なお、八坂神社の祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)ですが、神仏習合神(しんぶつしゅうごうしん)である牛頭天王(ごずてんのう)が同一視され、疫病を防御する神として信仰を広めました。
コロナ禍では、このような疫病除けの祭礼も実施を見合わせる事態となりましたが、今も昔も、病から逃れたいという人々の思いに変わりはないようです。

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