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広報レポーターが気づいたまちの魅力【住みよさ実感】

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千葉県印西市

■印西には村人と龍の物語があった
広報レポーター 渡辺一夫(原)
光のページェント「イルミライ★INZAI」を見に行った。青く光り輝き、空に向かってすっくと立つ、力強い龍が出現していた。
今年は辰(龍)年だ。実在しない龍にまつわる伝承や神社仏閣は、全国各地に散見されており、龍は国民的ヒーローだ。わがまち印西の街中でも、龍をモチーフにしたモニュメントや神社・仏閣をよく目にする。これには何か理由があるに違いないと思い、その謎を探ってみた。
印旛地方には古くから伝わる昇竜降雨の伝承があり、それが基になっているようだ。物語の大筋は「印旛沼に住む龍は、村人たちのことが大好きでよく遊びに訪れた。村人たちも龍が来ると喜んで歓待していた。ところがある年、印旛地方は大干ばつに見舞われて、作物が枯れてしまい、食べる物が底をついてしまった。見かねた龍は、大竜王に断りなく天に昇り、辺り一帯に大雨を降らせた。村人たちは大喜びをしたが、龍は大竜王の怒りに触れ、頭、胴体、尾の3つに裂かれて地上に落下してしまった。村人たちは、引き裂かれた龍の頭を龍角寺(現在の栄町)に、胴体を龍腹寺(現在の印西市)に、尾を龍尾寺(現在の匝瑳市)に収めてねんごろに供養した」といったものである。同様の物語(説話)は全国にもあり「今昔物語」が種本になっているのではないかともいわれている。
こうした説話の存在意義については諸説あるかとは思うが、村人と困っている人をそのままにしておけない律儀な龍との心温まる交流の物語は、時代背景の異なる今の世においても、誰の心の中にも脈々と生き続けている不変の摂理とでもいうものが感じられる。
まちの中で静かに息づいている伝説の龍のモニュメントに感謝。

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