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ふるさと探訪 タイムスリップ・インザイ【No.22】

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千葉県印西市

■古くて新しい民具 蚊帳(かや)
蚊帳とは、寝ている間に蚊などに刺されないように、寝室につるす網です。日本における蚊帳の歴史は古く、奈良時代の初期には使用されていたようです。当時の素材は木綿や絹であり、高級品だったようです。
江戸時代初期には麻を萌黄(もえぎ)(緑)色に染めて、へりに赤い布を付けた萌黄蚊帳が作られて、徐々に世間に広まっていきました。
また、昭和30年代になると、蚊取り線香とともに日本の夏の風物詩となりました。アニメ「となりのトトロ」にも蚊帳で遊ぶシーンが描かれています。
しかし、その後は網戸や扇風機が登場し始めたため、蚊帳は次第に日本の家庭から姿を消していきます。
蚊帳が再び注目され始めるのは、21世紀になってからです。2001年にWHOがロール・バック・マラリア・キャンペーンを開始したことがきっかけです。蚊帳は低価格で電気や火を使用しない蚊の対策として注目されるようになりました。
日本政府は2003年から2007年までの間に、1千万帳の蚊帳をアフリカに供与しています。また、日本の企業からも、開発した長期残効型の蚊帳、約3千万帳が供与されました。そして、タンザニアには蚊帳の製造方法が無償で技術移転され、現地の雇用創出にも一役買っているそうです。
2100年までに3℃から5℃気温が上昇すると、西日本一帯もマラリア潜在感染危険地帯に含まれる可能性が出てくるともいわれています。
蚊帳は将来、必需品になるかもしれない、古くて新しい民具なのかもしれません。

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