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ふるさと探訪 タイムスリップ・インザイ【No.24】

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千葉県印西市

■箱枕〜時代劇のあの枕〜
箱枕は、就寝時に綿やそば殻などを詰めた柔らかいくくり枕(現代の枕に近い形)を木箱の上に取り付けて使用する、時代劇などでおなじみの枕です。
江戸中期には、箱枕を敷布団の外に置いて横向きになり、首筋にくくり枕をあてがって、男女ともに使用していました。当時主流の髪型であった髷(まげ)が、寝ている間に崩れることを防ぐためです。また、写真のような箱枕は、横向きに寝た際に寝返りを打ちやすくするために、箱の底をカーブさせた「船底枕」になっており、需要が増していきました。なお、くくり枕に紙を巻いているのは、枕が髪油で汚れるのを防ぐためだといわれています。
明治初期になると、男性は髷を結わなくなり、箱枕は主に女性が使うものとなったことから、箱枕は嫁入り道具として用いられることも多かったようです。
明治末から大正初期にかけては、女性たちの間で、髪の毛を左右に庇(ひさし)のように張り出させて、頭上も髪の毛を大きく盛り上げて作る「二百三高地髷(にひゃくさんこうちまげ)」という独特な髪型が流行しました。箱枕はここでも、この髪型を崩さないよう寝るときに、大いに役立ったそうです。
このように、昭和初期まで、主に日本髪を結う女性によって使われていた箱枕ですが、その後流行の髪型や生活様式の変化により、次第に使われなくなりました。

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