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ふるさと探訪 タイムスリップ・インザイ【No.29】

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千葉県印西市

■仏教の伝播(でんぱ)-木下別所廃寺(きおろしべっしょはいじ)と平岡(ひらおか)・馬込遺跡出土瓦塔(まごめいせきしゅつどがとう)

印西市域には7世紀の終わりごろに建てられたと考えられる印旛沼周辺地域で2番目に古い瓦葺きの寺、木下別所廃寺があります。寺は印西中学校南東側の台地上に広がり、昭和52(1977)年と昭和53(1978)年に行われた発掘調査では3つの基壇(建物の基礎)が見つかり、それぞれ寺の主要な建物である金堂(こんどう)跡、塔跡、講堂跡と考えられています。その他に寺の建物の屋根をふいた瓦が見つかっており、寺から北西約800mの斜面に瓦が焼かれた曽谷ノ窪瓦窯跡(そやのくぼがようあと)があります。
木下別所廃寺が建てられた時期より後になりますが、寺から北東に約1.6kmのところにある平岡・馬込遺跡では、8世紀末から9世紀前半の瓦塔2基が出土しています。瓦塔は、奈良時代から平安時代にかけて作られた木造建築の塔を模した焼き物製の塔で、多くの瓦塔は五重塔に復元されていますが、馬込遺跡出土の瓦塔2基は七重塔に復元されており、全国的に珍しいものです。瓦塔の正確な用途は分かっていませんが、仏塔の代わり、仏舎利、経典、仏像などを納める厨ず子しとして使用されたなどの説があります。
古代の仏教は宗教にとどまらず、文化、地域の開発、福祉などの役割も担っていたと考えられ、このような寺が建てられた背景には、印旛沼周辺で勢力を有した豪族がいたことが考えられます。
※馬込遺跡出土瓦塔は現在、木下交流の杜歴史資料センターで展示しています

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