■子どもへの体罰は法律で禁止されています
文/多古中央病院 小児科 中村好孝
今回は体罰に関するお話です。初めて聞いた方もいると思いますが、体罰は法律で禁止されています。2020年4月に施行された児童虐待防止法の改正で、親によるしつけのための体罰や心を傷つける行為は禁止と明記されました。
では、どのような行為が体罰に当たるかというと、
・大切な物にいたずらしたので長時間正座させた
・友達を殴ったので同じように子どもを殴った
・兄弟でけんかしたのでお尻をたたいた
・宿題をしなかったので夕ご飯を抜いた
・掃除をしないので雑巾を顔に押し付けた
例示の後半になってくると、これも体罰なの?と思われる方も出てくるかもしれませんが立派な体罰です。
心を傷つける行為の例としては次のようなものがあります。
・「お兄ちゃんは上手にできたのに、あなたは下手だね~」と兄弟を引き合いにしてダメ出しをする
・「そんなバカな子に育てた覚えはない」など、子どもの人格を否定するようなことを言う
また、体罰は子どもに悪影響を与えることが明らかになってきています。例えば、親から体罰を受けていた子どもは、全く受けていなかった子どもに比べ、「落ち着いて話を聞けない」「約束を守れない」「一つの事に集中できない」「我慢ができない」などの行動問題のリスクが高まるといわれています。
そうはいっても、自分が子どもの頃は「よく頭を叩かれたな」と思っているそこのあなた!私も昭和生まれなので言いたいことは分かりますが(実際に年齢が高いほど体罰容認派が増えるようです)、昔行われていたことがすべて正しいというわけでもなく、子どもたちが安心して暮らせるように意識を変えていきましょう。
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