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多古中央病院から

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千葉県多古町

■感染症と抗菌薬
文:多古中央病院薬剤科
今月号は感染症と抗菌薬についてのお話です。
感染症とは、病原体が人の体に入ることによって引き起こされる疾患の総称です。その原因となる病原体は、大きく分けて細菌やウイルス、寄生虫などに分類されます。
抗菌薬とは、細菌の感染の治療に効果を発揮する薬のことで、抗生剤または抗生物質ともいわれています。細菌そのものを退治し、増殖を抑える働きがある一方で、細菌以外の感染症には効かないため、その使用方法には注意が必要です。
例えば、風邪の症状を引き起こす原因のほとんどがウイルスによるものと考えられているため、風邪で病院を受診しても抗菌薬は使われず、せき、熱、喉の痛みなどの症状を和らげる薬が処方されます。薬局で売られている一般の風邪薬も同様で、主に症状を和らげる成分が配合されています。
医師は、その感染症が体のどこで、どのような病原体によって引き起こされているのかを見極め、その原因が細菌によるものであると判断した場合、適切な抗菌薬を処方します。抗菌薬の種類はさまざまで、飲み方も異なるため、処方の通りに内服することがとても大事です。症状が治まったからといって、飲むことをやめてしまうと、細菌がまだ体内に残っていて、さらに症状が悪化することもあります。
人間の体内には、多種多様な細菌が共存していて、病気の原因となるような有害なものもいれば、その一方で、食べた物の消化吸収を助けたり、免疫機能を高めたりするなどの、人体に有益な効果をもたらす細菌も存在します。抗菌薬を不適切に使用することによって、それらの有益な細菌までも退治してしまうと、大きな健康被害を招くことにもなりかねません。
近年、抗菌薬の乱用が原因で、薬が効かない薬剤耐性菌の報告も増えています。このような状況を少しでも減らすためにも、抗菌薬を正しく使うことをみんなで心掛けていきましょう。

◆病院便り
多古中央病院の受付時間は午前11時30分までとなっています。それ以降は、医師も検査や手術などで対応できないこともあるため、受診前に、必ず確認の電話をお願いします。

【電話】76-2211

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