■大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の功
文/多古中央病院外科髙見洋司
大腸がんは早い段階で見つけると90%以上の確率で治すことができる病気です。大腸がんの発がんの原因は分かっているものもありますが、はっきりとは分かっていません。食事による工夫などもありますが、大腸がんになることを完全に防ぐ方法は見つかっていません。
大腸がんの発症を防ぐことはできなくても、早期に発見することはできます。以前に大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が大腸がんの発見に最も有効な検査であることはお伝えしましたが、実際に当院の直近の事例をご紹介したいと思います。
大腸がんが進行してから見つかることもありますが、早い段階で見つかって内視鏡的治療(大腸カメラを使って腫瘍を切除すること)で完治する事例があります。大腸のポリープで大きいもの(1センチを超えるもの)の中には、内部にがんが入っている場合があります。過去2年間の大腸ポリープ切除術は116例ありましたが、そのうち9例が内部にがんが入っているポリープでした。
切除したポリープの内部にがんが入っていたということは、発見・治療があと数年遅れていたら、手術で取り切れないことになっていた可能性があります。大腸カメラは大腸がんの早期発見、治療に絶大な力を持っているのです。
早期発見のためには定期的な大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受ける必要があります。現在、健康な方であれば標準的な大腸カメラの間隔は5年といわれています。
大腸がんになる可能性は誰にでもあります。「早く見つける」という気持ちを常に持って定期的に検査を受けることをお勧めします。
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