■災害に備えて
文/多古中央病院 薬剤科
令和6年に入ってすぐに、能登半島地震が発生し、その後も日本各地で大きな地震が多発しています。国の調査機関の報告によると、今後30年以内に首都直下型地震(マグニチュード7クラス)が起こる確率は約70%以上と言われており、各自の自然災害に向けての備えが必要とされています。
災害時は、ライフラインが甚大な被害を受けて交通機関がまひしてしまい、医療機関や薬局に薬が届かなくなる可能性があります。慢性疾患で薬を定期的に使用している方は、かかりつけの医療機関で先生に相談して、1週間ほど予備の薬をもらうと良いでしょう。そして、普段医療機関にかかるときは薬を使い切ってからではなく、少し余裕を持って受診することも大切です。
また、医療機関が被災してしまうと、カルテの閲覧ができなくなる可能性もあります。そうなると、今までの処方内容が確認できず、適切な薬が処方されなかったり、過去に使用した薬のアレルギーや副作用歴なども分からなくなり、緊急時の処置に使用する薬で悪い影響が出てしまう心配もあります。そうならないためにも、普段からお薬手帳を持ち歩き、内容を常に更新して、アレルギーや副作用歴を記録しておきましょう。そして非常用持ち出し袋の中に、お薬手帳のコピーを入れておくようにすれば、災害時に適切な医療を受けやすくなります。
災害はいつ起こるか分かりません。日頃の備えが、いざというときの安心につながります。普段から防災意識を高めるように心掛けましょう。
【病院便り】
多古中央病院の受付時間は午前11時30分までとなっています。それ以降は、医師も検査や手術などで対応できないこともあるため、受診前に、必ず確認の電話をお願いします。
【電話】76-2211
<この記事についてアンケートにご協力ください。>