千葉県が誕生150周年を迎えた本年、町ではこの記念事業の一環として本町とメキシコ合衆国クエルナバカ市との姉妹都市提携45周年を記念する事業を実施してきました。
「県誕生から150年を振り返り、続いていく未来に思いを馳せる」という県のテーマに沿って、メキシコとの交流のきっかけとなった史実((本紙)7ページ)と足跡を伝えていくため、10月1日から15日まで「本多忠勝、忠朝とドン・ロドリゴの生きた世界甲冑イラスト画展」を開催、戦国武将の甲冑展示のほか、スペイン領フィリピン臨時総督ドン・ロドリゴ一行を救助した史実を物語るパネル展、本町とクエルナバカ市との交流や千葉県150周年のあゆみ、駐日メキシコ大使館提供による民俗資料の展示なども行いました。開催期間中は、町内小・中学生も校外学習の一環として会場を訪れ、改めて交流の歴史を学ぶ機会となりました。
また、姉妹都市提携45年の歴史のなかで、この記念事業にあわせ初めてクエルナバカ市からウリオステギ市長が訪町されました。ウリオステギ市長は、来日された初日から千葉県知事を表敬訪問され、また滞在期間中は、メキシコを拠点に世界で活躍されるヴァイオリニスト黒沼ユリ子氏との対談や御宿町石田町長のご案内によりメキシコ記念塔やドン・ロドリゴ一行の船が座礁した海岸などを訪れたほか、いすみ鉄道にも乗車され、大多喜駅前観光本陣や道の駅たけゆらの里大多喜では、農産物、加工品や地酒など地域の特産品を興味深く視察されました。
また、クエルナバカ市と国際友好都市となっている大阪府箕面市では、メキシコ合衆国モレロス州大学から例年、研修生の受け入れを行っており、この記念事業の期間に合わせて研修生4名が訪日し、箕面市の国際交流員とともに本町を訪れました。大多喜お城まつりでは、ドン・ロドリゴ一行に扮し武者行列に参加され、また、地元の三育学院大学での茶道体験や西小学校での交流給食会など本町での交流の輪を広げていただきました。
10月7日に行われた姉妹都市提携45周年記念パーティーには、ウリオステギ市長のほか、駐日メキシコ大使館メルバ・プリーア大使や社団法人日墨協会の皆さまのほか多くのご来賓をお招きし、友好の絆を確かめ合うことができました。また、記念品として大多喜町からは、千葉県指定伝統的工芸品である大多喜焼の茶碗を、クエルナバカ市からは著名なメキシコ人アーティストによる絵画などがそれぞれ贈られました。さらに、お互いの文化的交流として、七福神の踊りや上原神楽囃子保存会による神楽や囃子、モレロス州大学生によるフォルクローレダンスをそれぞれ披露し交流を深めました。また、同日に行われた大多喜お城まつり前夜祭では、寺町通りを訪れライトアップされた竹灯籠や花手水の幻想的な風景に大変感動されていました。
10月8日の大多喜お城まつりでは、今回新たにメイン会場となった本町B and G海洋センター野球場のステージにて、平林町長、駐日メキシコ合衆国メルバ・プリーア大使、クエルナバカ市ウリオステギ市長にご挨拶いただいた後、メキシコの民族舞踊団メヒコ・エン・ラ・ピエルによるダンスを披露いただきました。最後はステージから飛び出した踊りと音楽が、来場者も巻き込んだ大きな交流の輪となって会場を大いに盛り上げました。
この記念事業が、郷土の先人たちの尊い人類愛の歴史的史実を伝えるとともに、将来に向けて本町とクエルナバカ市との交流が更に発展していく契機となっていくことと思います。
大多喜町とクエルナバカ市の交流の歴史は(本紙)7ページです。
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