令和6年8月24日【第3号】
大多喜町役場農林課農政係
地域おこし協力隊 渡邊未来
■油断は禁物!シカ・イノシシ 被害金額減るもゼロには遠く
大多喜町ではシカ・イノシシ対策として、防護柵の補助、猟友会への箱わなや見回り補助機器の貸与、銃による一斉駆除を行っています。令和元年からの3年間で、大型箱わな165基の貸与、物理柵7,898m・電柵16,258mの設置が行われました。捕獲は直近4年間でイノシシが年平均1,043頭、同シカ576頭でした。
捕獲数は年変動ありながらほぼ横ばいです。鳥獣被害防止計画に基づいた捕獲・防除対策の結果、農業被害金額は減っていますが、被害をゼロにするにはまだまだ難しい状況です。
●農業被害額
▽2007/平成19年度
イノシシ:357万円
シカ:213万円
▽2023/令和3年度
イノシシ:205万円
シカ:18万円
■柵は設置してからが本番 こまめな確認と草管理がカギ
シカ・イノシシ対策としては柵での防除が有効です。物理柵(ワイヤーメッシュ・トタン・金網など)は効果が高いものの、柵周りに草が生えてツタが絡むと、すぐにヤブ化してしまいます。すると動物がヤブにまぎれて近づき、むりやり穴を開けたり下から掘り返したりして突破されてしまいます。
電柵の場合は、ワイヤーに伸びてきた草が触れると急激に電圧が落ちて感電効果が失われます。また昼間や冬季にオフになっていると、たまたま侵入した動物に、電柵は痛くないと思われてしまいます。二番穂や柔らかい草を食べられて安全なエサ場だと認識されないよう、季節を通じて常に通電するのが理想です。
時間と労力をかけて設置した柵の効果を発揮するためには、電圧チェックや破損箇所の確認、柵内外の草管理(草刈りまたは除草剤散布)が大切です。面倒なぶん、確実に効果は現れ、また柵外での捕獲効率も上がります。
■ご家庭でできるシカ・イノシシ対策
(1)柵のチェックと補修柵の内外・幅2mの範囲を草刈りすると、穴を開けられてもすぐわかり、見回りの際も歩きやすくて楽です。作物は柵のすぐ近くまで植えず、守りきれる分だけに。
(2)秋はあえて草刈りせず冬枯れを待つ隠れ場を無くすために草刈りは大切ですが、草がまばらで隠れ場所にならないようなら、お彼岸以降の草刈りはやめて、冬枯れを待ちましょう。エサになる若草が育たないのでシカやキョンが寄ってきません。
■町の捕獲状況
種類・R6年7月・前年同月:
・イノシシ/73頭/230頭
・シカ/40頭/38頭
・キョン/71頭/65頭
・サル/42頭/66頭
稲の食害は、キョンは植えた直後・シカは生育中・サルやイノシシは刈入れ直前が多いです。二番穂や落穂にも注意。見かけたら作付中と同じように追い払いましょう。
獣害対策について知りたい情報や実施しているコツなどがありましたら、精査後こちらで記事にいたしますので、ぜひご意見をお寄せください。
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