令和6年12月24日【第6号】
大多喜町役場農林課農政係
地域おこし協力隊 渡邊未来
■柿・栗・柚子…放置果樹は困りもの
紅葉とともに色づく柿や柚子の実は、田園風景が美しい大多喜町の魅力のひとつ。ですが、獣害対策の観点では悩みの種でもあります。
放置された果実が栄養満点のエサになり、獣害を増やしてしまうことに。将来を考えると、実を取りきれないなら枝を減らし、あまり収穫していないなら切ってしまった方が安心です。
不要な柿の木1本なくすだけで、百個単位でエサが減ります。ムリして全部切らなくても、数本切れば柵や追い払いの効果がぐんと上がります。葉っぱがすべて落ちた後、11月下旬からがチャンス。地面近くではなく、ヒザの高さで切って黒いポリマルチをかぶせて地際まで覆い、新芽を出させないようにするとうまく枯れます。
■ムリせず徐々に減らそう 梅からはじめて実のなる順に
獣に来てほしくない場所から順番に、まず防護柵近くの木を。果実を食べにきたついでに柵を突破されたり、枝を伝って入られたりするのを防ぎます。そして田畑周辺、次に庭先や集落の道路沿いと切っていきましょう。
収穫する分は大事な農作物ですので残します。枝を減らして樹高を低くすれば、簡単に実が取りやすく、ご高齢の方でも安全に収穫できます。剪定は花芽がふくらみ始める前に行い、12月に梅、1月にキウイフルーツを。
柿、栗などは2月ごろに。腰の位置辺りから横枝が出ている木は低木化しやすいです。上に向いて伸びている太い幹を切り、癒合剤を塗って保護します。全体がY字やT字の形になるよう、鋸やハサミの刃は横にして使い、上に伸びている細枝を根元から切って整えます。ゆずの場合はトゲが危険ですので安全靴・厚手の服やグローブ、メガネなどで十分防護して行います。
楽に収穫できる樹に変えて、将来も安心な生活ができるよう、少しずつ獣害を減らしていきましょう。
▽ご家庭でできる放置果樹対策
(1)切り倒すのが難しいなら枝だけでも…剪定バサミでいらない枝を切っていきましょう。いざ切り倒すというときにも、片付けが楽になります。ムリはなさらず、できるところから少しずつ。
(2)落ちている果実は拾ってゴミへ…柿や柚子など、熟れて落ちているはずなのにキレイになくなっているなら、動物に食べられています。落ちている果実は拾って生ごみにするかコンポストへ。
■町の捕獲状況
種類・R6年10月・前年同月:
・イノシシ…69頭/174頭
・シカ…63頭/82頭
・キョン…63頭/76頭
・サル…1頭/9頭
今秋はドングリが豊富なようで、動物達は山奥に移動したようです。冬本番でエサがなくなると、冬野菜を狙ってまた集落に来るかもしれません。獣害は忘れたころに起こります、お気をつけて。
獣害対策について知りたい情報や実施しているコツなどがありましたら、精査後こちらで記事にいたしますので、ぜひご意見をお寄せください。
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