市では、令和5年度から産業の振興と活性化を図ることを目的に、市内で創業及び事業承継を行う人を対象として、補助金を交付しています。この補助金を利用して創業された「指定訪問介護ステーションAbelo(アベロ)」の横尾さんご夫婦を紹介します。
■屋号の由来
Abelo(アベロ)とは、「ミツバチ」を示します。ミツバチは助け合いながら、暮らしを整え、花から花へ花粉を届け命を繋ぎます。地域の中で、それぞれの命を咲かせられるような存在でありたいという願いがこめられています。
▽横尾頼子さん
高知県出身。大学卒業後、病院、施設、訪問看護を経験。大学病院での勤務中に「がん看護」に関する専門性が必要と感じ、大学院で学び直し、県内でも数少ない「がん看護専門看護師」の資格を取得。
▽横尾征一郎さん
富里市出身。学業修了後、法人での勤務を経て、令和5年12月に合同会社Terra Incognitaを創業。
■横尾征一郎さん…(征)、横尾頼子さん…(頼)
Q 事業内容について教えてください
(頼)「指定訪問介護ステーションAbelo(アベロ)」では、在宅での訪問介護を中心として、保険適用から適用外のものまで幅広く対応しています。介護保険制度の仕組みでは、サービス内容や回数が限られているので、それを補うために保険外のサービスにも対応しています。また、看護の資格を持っているので「介護+看護」のサービスも提供していることが大きな特徴です。
Q 事業を営む上でのこだわり・知ってほしいことはありますか?
(征)「今よりもっと良くしたい」という思いで、現状よりも一段・二段先のサービスを提供することをイメージしています。また、利用者・介護者どちらかが強い立場という訳ではなく、対等な立場で利用者に接することを大切にしています。需要と供給が偏ってしまうことなく、お互いに遠慮なく何でも言い合える関係性を目指しています。
(頼)働きやすい環境づくりも大切にしています。現在、代表と私、常勤の人1人、パートさん2人の計5人で運営していますが、スタッフみんなが同じ思いで動けるように、活発に意見交換をし、利用者について丁寧に情報共有しています。また、一人ひとりの好みに合った「オーダーメイド」なサービス提供を心掛けています。例えば、髪を洗うにも、どれくらいの強さで洗ってもらうのが好きなのか、と考えたり、ペットボトルのふたもヘルパーが全部開けてしまうのではなく、途中まで開けて、最後は本人にやってもらうなど、自立してもらうことも大事にしています。
Q 訪問介護の仕事について教えてください
(頼)「介護」と聞くと暗いイメージを持たれる方が多いですが、私たちは介護を暗いものではなく、明るいものとして捉えて欲しいです。訪問介護のサービスは、悪くなってから使うというよりも、少し早めに利用することで、今までの生活を維持することにつながります。サービスを受けたら「かわいそう」とは捉えず、受けることによって生活が良くなる・暮らしを続けるために使う前向きなサービスとして捉えて欲しいです。
ヘルパーは“明るく伴走してくれる人”と見てもらえると嬉しいです。実際、ヘルパーさんは明るい人が多いんですよ。
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