■新町お囃子会 会長 中川(なかがわ)泰宏(やすひろ)さん(田間在住)
生まれ育った横芝光町の祇園祭は、子どもの頃の一番の楽しみで、篠笛を吹く父の姿は憧れでした。
今住んでいる田間の自治会でお祭りを取り仕切ったとき、お囃子がないのを寂しく思ったところ、周りにも同じ意見があり、2年後に「新町お囃子会」を立ち上げました。とはいえ、私自身もお囃子は未経験。笛師である蘭情(現蘭照)氏の人柄に助けていただきながら、指導者を目指して一から篠笛を習得しました。また、立ち上げの時期お世話になった、隣町の「新宿おはやし保存会」の方々とは今も一緒に活動し、お祭りを盛り上げています。
お囃子を披露するには楽器も必要です。太鼓は黒潮太鼓の方から貸していただき、篠笛は篠竹で作ることにしました。そこで、子ども会で「100円で篠笛を作ってみませんか」と声を掛けたところ、何人も集まり、笛の楽しさに魅了されてお囃子を始める子も出てきました。子どもたちが喜んでくれる姿は何より嬉しいですね。今は、地区だけではなく、市内全体で子どもたちが篠笛と触れる機会を増やし、さらに「やってみたい」と思う子たちを地域のお囃子会へつなげていく取り組みを進めています。
その一環として、篠笛作りのワークショップ(下記)も行っています。写真の笛も自作です。自分で作った笛が音を奏でる喜びは格別なので、ぜひ体験していただきたいです。
6年ぶりに行われた田間神社神幸祭でも演奏しました。お囃子の音色は、お祭りを盛り上げ、子どもの頃の原風景をよみがえらせてくれます。お祭りを見に来た方から「また演奏したい「」始めてみたい」という連絡もいただきました。これから先、西洋音楽とは異なる魅力を持つこの伝統芸能を、次の世代に残すための仕組みを作っていきたいです。
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