■消化器内視鏡検査の話〔第1回〕
今回から3回のシリーズで消化器疾患のがん検診についてお話ししたいと思います。まず今回は、内視鏡検査の全般的な現状についてお話しします。
内視鏡検査に対して、迷ったりためらったりしたことはありませんか?日本の内視鏡検査による診断・治療は、最先端技術によって世界をリードしています。このような高度な技術をもって行われる内視鏡検査が、大きな病院だけでなく身近な診療所でも、安全にそして比較的安価に受けることができるのを、知らずにいる人が多く見受けられます。また、とても苦痛を伴う検査と誤解している人も少なくないようです。
今日の高い技術と安全性を備えた内視鏡検査をためらって、胃がんや大腸がんによって健康で楽しい生活が続けられなくなるのは残念なことです。何も症状が無いからと検査を先延ばしにする人もいますが、自覚症状を伴ってから診断される胃がん・大腸がんなどはある程度進行しているがんが多く、身体に負担の少ない最先端の低侵襲内視鏡治療では対処ができず、従来の開腹手術や抗がん剤治療、放射線治療といった肉体的にも経済的にも負担の大きい治療が必要になってしまいます。
最近の内視鏡検査は、スコープが細くなり検査が楽に受けられるようになっただけでなく、4Kハイビジョン映像や強調画像による画像解析、AIなどの機械工学の進歩により、ますます精度が高く信頼できる検査になってきています。検査を担当する医師も、そういった技術を最大限に生かして微小な早期がんを見つけるべく日々研鑽(けんさん)を積んでいます。
胃がん・大腸がんは早期に診断し治療が開始されれば、内視鏡治療で完治可能な疾患です。過去に内視鏡検査でつらい思いをした人の中には、そのつらさがトラウマになり検査をためらう人も少なくないようです。鎮静剤を併用することでウトウトした状態で検査を受けることもできます。ぜひかかりつけ医にご相談ください。
次回は、松戸市の胃がん検診についてお話しします。
問合せ:松戸市医師会
【URL】https://www.matsudo-med.or.jp
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