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スポットライト

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千葉県松戸市

■心に届く味のために いいものを作りたい
イタリア伝統菓子
ビスコッティ専門店Binasce(ビナーシェ)
山本 慎弥(やまもと しんや)さん

「お店と出合ってくれた人たちを幸せにする仕事をしていきたい」と話すのは、新松戸にあるビスコッティ専門店「Binasce」のシェフ・山本慎弥さん。先日、“食のちばの逸品を発掘2024”コンテストにおいて、ビスコッティと芋けんぴを融合させた新しいお菓子「ビスケッピ」で見事金賞を受賞しました。
おいしいものが好きで、小さいころから料理人という職業に興味があったという山本さんですが、選択肢を広く持っていたいと早稲田大学に進学します。在学中のパスタ店でのアルバイトなどを通して「やっぱり料理の道に進みたい」と決意を固め、卒業後はイタリア料理人として歩み出した山本さん。イタリア・フィレンツェに渡り、現地の複数の料理店で2年間の経験を重ねた、異色の経歴の持ち主です。
ビスコッティとはフィレンツェの伝統菓子で、「ビス」が「2度」、「コッティ」が「焼く」を意味するその名の通り、2回焼き上げて作るクッキー菓子です。帰国後、手土産として振る舞っていたビスコッティが非常に好評で手応えを感じたことに加え、「甘いものはいつの時代も人の本能に訴える」とビジネスとしての伸びしろを見込んでビスコッティ専門店の創業を決めたそうです。
今回受賞したビスケッピは、規格外のさつまいもを活用するプロジェクトがきっかけで、県内のさつまいも農家と山本さんが協力して開発した焼き菓子です。「規格外品も味は良いことが多く、我々が手を加えることでその本来の価値を引き出すことは料理人の努め」と話す山本さん。ビスケッピは原材料の半分近くまでさつまいもを使用し、ザクザクとした食感とかむほどに広がるさつまいもの風味が楽しめます。創業時から変わらない「自分の“おいしい”という基準点を超えたものしか出さない」という信念のもと、販売までの約5カ月間改良し続けたビスケッピ。山本さんが「千葉県の定番のお菓子にしたい」と願うこの商品は、コンテストで「全ての世代が笑顔になる逸品」と評価され、食べた人の心を満たすお菓子に仕上がりました。
「イタリア料理人としての経験は、お菓子だけでなく料理の分野でも活かしていきたい」と話す山本さんは、他の規格外の農産・水産品の活用や地域のブランディング化など、さまざまなプロジェクトにも取り組みたいと意欲的です。技術と経験を武器に挑戦を続ける山本さんのお菓子や料理は、これからも休憩のひと時や食卓に楽しみや喜びを添え続けることでしょう。

◇ビスコッティ専門店 Binasce
新松戸4の220の2
【電話】070-8421-5049

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