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スポットライト

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千葉県松戸市

■ネイルを通じて爪も心も彩る
福祉ネイリスト 阿部希巳江(あべきみえ)さん

「とてもきれいですよ!よくお似合いです」高齢者施設の一室で、入居する女性にマニキュアを塗りながら語りかけているのは、市内在住の福祉ネイリスト・阿部希巳江さん。「この前やってもらって、とても可愛かったのよ。せっかくなら、目立つ色にしてもらわないとね」と自分の指を見ながらとても満足げな女性を見て、施設の職員は「きれいになった爪を私たちやご家族に自慢してくれるんです。コミュニケーションのきっかけになっています」と教えてくれました。ネイルケアの対象は女性に限らず、男性も爪磨きやハンドケアなどを受けられ、「冷え性の人がハンドトリートメントで温まったり、巻き爪の人が悪化しないよう爪を切ったり、できることはたくさんあります」と、阿部さんは美容だけが目的ではないことを強調します。
福祉ネイリストとは、2015年に設立された(一社)日本保健福祉ネイリスト協会の認定資格で、高齢者や障害者など、自分で爪のケアやおしゃれをできない人に対して施術を行う人のこと。一般的なネイリストと異なる点は、装飾は最小限に、マニキュアは速乾性や安全性が高いものを使用し、施術の対象者に合わせた環境や手法、会話などを重視していることで、「いかに美しくするかよりも、いかに楽しい、癒やしの時間を提供できるかが大切です」と阿部さんは言います。
学生時代からネイルに興味があったという阿部さん。結婚し育児が一段落した後に働き始めた介護施設で、入居者にネイルケアをしてあげたら凄く喜んでもらえたそうで、「いくつになっても爪が綺麗になったら嬉しいものですが、高齢になると爪切りなどを自分で行うことが難しくなってきます。私が資格を取って爪のケアをすることで、日々忙しい職員の助けにもなると思いました」と振り返ります。
しかし資格を取得しても、当時は福祉ネイリストの知名度が低く、活躍の場は限られていたそうです。それでも阿部さんは、障害者施設や子育て世帯向けのイベントなどにも出向くなど地道に活動を続け、普段おしゃれをしたくてもできない人たちの爪を美しく彩り続けてきました。その努力と成果が他の福祉ネイリストの模範になると評価され、全国の福祉ネイリストの投票により選ばれる「福祉ネイリストアワード」で今年の準ブランプリを獲得しました。
名実ともに福祉ネイリストのリーダー的存在になりつつある阿部さんが目指すのは、全ての介護施設で福祉ネイルが当たり前になること。「美容を通じた癒やし効果が、福祉的な支援が必要な人の生活を彩る支えになれると信じています」と語る阿部さんの、少しでも多くの人を幸せにするための挑戦は続きます。

問合せ:福祉ネイルのご相談は…NAIL GIFT plus・阿部
【電話】090-2492-8124【Eメール】nail.gift.plus@gmail.com

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