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先人たちの足跡 No.285

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千葉県栄町

■栄町のちば文化資産「布鎌惣社水神社の奉納相撲と水塚のある景観」
今年新たに選定された栄町の4つの「ちば文化資産」について、9月号から12月号にかけて連載します。今月号で取り上げるのは、「布鎌惣社水神社の奉納相撲と水塚のある景観」です。
布鎌は、江戸時代前期に開墾された頃から近年に至るまで、水害に悩まされていた土地でした。水神社(すいじんじゃ)の奉納相撲と水塚(みづか)は、その歴史を今に伝える文化資産です。
利根川と将監川、長門川に囲まれた布鎌は、水害から田畑を守るための堤防がぐるりと巡っている輪中(わじゅう)村落でした。川の増水時には堤防が決壊し、田畑や家屋を飲み込んでしまうことが幾度もありました。
栄町の最西端にある布鎌惣社水神社は、水神様(すいじんさま)と呼ばれていて、洪水時には、白馬に乗って堤防を見て回ったと、言い伝えられています。
「水神様はお相撲がお好き」とも言われていて、秋の例大祭では、そんな水神様のために、奉納相撲が行われてきました。明治の頃には、東京や、近在の力士が40から50人程参加し、観衆が十里(40km)四方から集まっていたといいます。
現在は、布鎌小学校の子ども達が廻しを締めて、奉納相撲を実施します。
堤防の決壊時や、堤防の内側で雨水が溢れた際の避難先として、民家の敷地内に築かれたのが水塚です。食料や薪、生活用具を保存するための物置や小さな家屋を水塚の上に建てて、水害に備えたのだそうです。
奉納相撲と水塚は、先人たちが自然災害から身を護るために伝えてきた県内でも特色ある文化です。ちば文化資産に追加選定されたことで、より多くの方に関心をもっていただけると幸いです。
今年は、10月21日(土)に奉納相撲が予定されており、同日に、のら里くら里健康ウォーキングが開催予定です。子ども達の奉納相撲へ声援を届けに、布鎌の景観を歩いてみませんか。

問合せ:生涯学習課文化財班
【電話】95-1112

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