初夏の宵、東の空高く輝く星は、うしかい座の1等星アークトゥルスです。西日本の一部では「麦星」と呼ばれていました。麦の穂が色づく頃宵の空に輝くため、収穫期を知る目安になっていたのでしょう。アークトゥルスから南へ目を移すと、南東の空にもう一つ明るい星が見つかります。おとめ座の1等星スピカです。おとめ座はギリシャ神話の農業の女神デーメーテールの姿とされ、女神が左手に持つ麦の穂先に輝いています。スピカは「麦の穂」という意味です。
初夏の宵に見える二つの1等星を、東洋と西洋でそれぞれ麦に結びつけていたのですね。明るさや色の違いにも注目しながらご覧ください。
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