■大貫仁美(Hitomi Oonuki)
▽Profile
千葉県出身。武蔵野美術大学を卒業後、千葉県を拠点に、ガラスの立体作品を中心に制作を行っている。
「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」では、旧進藤家住宅と復元古代住居(袖ケ浦公園内)に作品を出展している。
◇制作活動のテーマは「不具性の美」
私は、「不具性の美(完璧ではなく、少し壊れたものの美しさ)」をテーマに、金継(きんつ)ぎ(ヒビなどを修復する伝統的な技法)から着想を得た独自の技術を使って、ガラスの立体作品の制作を行っています。
皆さんが「ガラス」と聞くと、透明なものを思い浮かべるかと思いますが、私の作品で扱うガラスは、透明感がなく、白っぽい質感なので、ガラスに見えないねとよく言われます(笑)。
◇「かけら」がテーマの作品
旧進藤家住宅と復元古代住居で展示している作品「たぐり、よせる、よすが、かけら」は、市内に貝塚が多いことや、郷土博物館の展示で見た出土品の「断片」などからインスピレーションを受け、「かけら」をキーワードに制作しました。
展示場所には、私が制作した作品のほか、3月に開催したワークショップの参加者が制作した作品も展示していて、一つひとつの作品(かけら)が集まって、「たぐり、よせる、よすが、かけら」になっています。
ガラスのさまざまな「表情」「表現」を見ることができるので、ぜひ注目して見てほしいですね。
◇馴染みのある場所での展示だからこそ、芸術に気軽に触れてほしい
今回の芸術祭にあたり、皆さんの財産である旧進藤家住宅などを貸していただいたこと、本当にありがとうございます。昔から残っている、歴史のある場所で作品を展示させて頂くことは、とても貴重な経験ですし、ありがたい限りです。
また、皆さんにとって、今回作品が展示されている場所は、どこも馴染みのある場所だと思います。馴染みのある場所だからこそ、芸術に対して身構えずに、「普段と違った施設の姿を見に行こうかな」くらいの気持ちで、気軽に訪れてもらえると嬉しいです。
私は、作品を見る時に、難しいことは考えなくていいと思っています。作品に対して「綺麗だな」とか「どうやって作ったんだろう」とか、そういった単純な感想や発見を持ってもらえるだけで嬉しく思います。
芸術が好きな方はもちろん、あまり興味がなかった方も、ぜひ会場に足を運んでくださると嬉しいです。
▽インタビュー記事全文を「広報そでがうらプラス」で紹介しています。(※本紙二次元コード参照)
■百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス
期間:5月26日(日)まで 午前10時~午後5時
※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く)。一部施設は、定休日が異なる場合があります。
会場(市内のみ):袖ケ浦公園周辺
・東弘一郎氏…袖ケ浦公園
・大貫仁美氏…旧進藤家住宅・復元古代住居
・キム・テボン氏…アクアラインなるほど館
・ダダン・クリスタント氏…農畜産物直売所「ゆりの里」付近の農道
※作品鑑賞パスポートの購入方法や、その他のイベント情報などの詳細は、本紙3月号または芸術祭公式ホームページをご確認ください。
問合せ:内房総アートフェス実行委員会事務局
【電話】38-6563
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