ニュース等で聞く「爆弾低気圧」という言葉は、1980年代にアメリカ等の気象学者が提言した言葉です。
日本では、気象庁の予報用語の中で「使用を控える用語」として定義されているので、「急速に発達する低気圧」や「猛烈に発達する低気圧」といった表現で報道されることが多いです。熱帯低気圧並みに急速に発達する温帯低気圧のことを言い、「12時間以上にわたって中心気圧が1時間あたり1以上低下した温帯低気圧」または、「24時間以内に17.8以上低下した(温帯)低気圧」を指します。
大陸性の冷たく乾いた寒気団と、暖かく湿った海洋性の気団が当たる場所で発生しやすいので、冬から春の日本周辺は、発生が多い地域にあたります。特に、北陸から東北沖の日本海及び太平洋三陸沖での発生が多いです。冬の日本海低気圧が日本列島を通過した後に太平洋に出て、急激に三陸沖で発達し、各種災害を引き起こしている例が多いです。また、春先には、「春一番」といわれる場合もあります。
「爆弾低気圧」の最大の脅威は、「風」です。風の強さは、気圧傾度(距離当たりの気圧の変化率)に影響されますが、一般的に気圧傾度は、台風の方が大きいのですが、それに匹敵するくらいの強さの風が発生します。しかし、台風は熱帯低気圧なので、大きさ的には小さく動きも速いので、風の影響も狭く・短時間ですみますが、爆弾低気圧は、温帯低気圧なので広範囲に長時間、吹き続ける傾向が強いです。
(1)冬・春の海や山のレジャー等は、天気予報の情報を聞き、中止する勇気を持ちましょう
(2)「爆弾低気圧」の言葉を聞いたら、遠方でも早めに風への対策をとりましょう
(3)急激な気圧・気温の変動により自律神経に失調を起こしやすいです。普段以上に体調管理を行いましょう。
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