■第25回 生涯活躍のまちづくりと稼ぐ力分析
長柄町タウンアドバイザー/千葉大学大学院国際学術研究院 田島翔太
長柄町の総合的な施策に位置付けられているのが、「生涯活躍のまちづくり」です。千葉大学や町内のスポーツ施設、医療機関等と連携し、都市住民の移住定住を推進し、住民の皆さんが生涯にわたり健康的かつ活動的で安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいます。
図1は、長生郡市及び県内で生涯活躍のまちに取組む3市町(匝瑳市、旭市、御宿町)における「医療業」、「社会保険・社会福祉・介護事業」、「娯楽業(スポーツ施設提供業やゴルフ場等を含む)」の特化係数(付加価値額)をまとめたものです。特化係数とは、地域内の産業がどれだけ特化しているかを示します。特化係数が1を超えていれば、全国と比べてその産業の稼ぐ力が相対的に高く、基盤産業となっているといえます。
長柄町は、「医療業」と「社会保険・社会福祉・介護事業」の特化係数がいずれも1を超えており、地域の強みであることが分かります。また、「娯楽業」の特化係数が特に高く、特徴的な産業であることがわかります。このようなことから、長柄町が健康的かつ活動的なまちづくりを目指していくことは、地域の基盤産業を活かしていると考えられます。
SDGsの観点では、生涯活躍のまちづくりによって住民の健康的な暮らしを実現するだけでなく(目標3)、地域の基盤産業を成長させることで雇用を創出し(目標8)、地域産業全体の底上げ(目標9)に貢献することが期待されます。
図1 特化係数(付加価値額)の比較
(参考)内閣府 RESAS地域経済分析システム
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