■足の痺れ
塩田記念病院 脳神経外科医師 團裕之
足裏の痺れ、膝下の痺れ、太ももの痺れなど身体のどこかしらに不調を感じている方は多くいると思います。歳のせいだと言われ諦めていた症状も、原因を見つけ対処することで症状が軽くなることがあります。その原因の一つに「絞扼性末梢神経障害」と言われる疾患があります。筋膜という硬い膜で神経が締め付けられる場合や蛇行した血管が神経を圧迫し痺れや違和感、痛みが出現します。
代表的な疾患に、「足根管症候群」があります。足の裏前半分の痺れや異物付着感(砂利の上を歩いている感じ、米粒が張り付いた感じなど)、火照りや冷えを感じることもあり、ひどい場合は歩けないほどの症状が出現します。多くはくるぶしの内側で、内側足底神経という神経を動脈が圧迫することにより生じます。
通常はまず薬を飲んで効果を観察します。症状が軽い場合は内服のみで痛みが良くなりますが、薬でも痛みが改善しない場合や痺れが強い場合は、神経剥離術という手術治療も行えます。施設にもよりますが局所麻酔で行うこともでき、良くなる場合は手術中から痺れや足先の冷えが改善します。あくまでも神経の圧迫を解除し神経が治る環境を整える治療であり直接神経を再生させるものではないので、期待する効果が得られない場合もありますが多くの患者さんで術後の症状改善を自覚しています。
全国的には未だ認知度の低い疾患ですが、痺れが軽くなることでQOLの改善が期待できるので一度ご相談ください。
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