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病気の豆知識

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千葉県長柄町

■タバコと禁煙について
塩田記念病院 外科 医師 守正浩

皆さんは『タバコ』と聞くと、どの様なことを思い浮かべるでしょうか?リラックスできるだけでなく人付き合いの一環として好ましいものと思われる方もいれば、健康に悪いものと思われる方もいるかと思います。では、実際にタバコは自身の体や社会にとって良いものなのでしょうか?
日本における喫煙者の割合をみてみると昭和41年は何と83.7%もあり、ほとんどの人が喫煙者だったことが分かります。ポスターで当時キャッチフレーズだった『今日も元気だタバコがうまい!』や、『おくりものにタバコ』を見てもタバコが社会の中に深く浸透していたことが分かります。医師がタバコの販売を促進するポスターに登場していることも、今の時代では考えられませんが、当時は当たり前で、タバコを吸うとやる気が出る、仕事がはかどる、人間関係がうまくいくといった良いイメージがもたれていました。
一方で、厚生労働省が2023年7月に報告した「国民生活基礎調査の概況」によると、令和4年の喫煙率は男性が25.4%、女性が7.7%で、大幅に喫煙率が下がっていることが分かります。タバコに関係したポスターをみても、昭和の時とは打って変わり病気との関係を連想させるものとなっていて、タバコへのイメージが変わったことが分かります。この間になにがあったのでしょうか?

タバコの煙には4,000種類を超える化学物質が含まれています。その中で、有害とわかっているものだけでも200種類以上あり、そのうちの約70種類は癌の発生に関りがあります。有害物質で代表的なものは、ニコチンや一酸化炭素、タールの3つで、皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。ニコチンや一酸化炭素は血管を収縮したり、動脈硬化を引き起こすことで高血圧や不整脈の原因となるだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞を起こす確率を高めます。タールは肺を汚して癌の原因となります。また、ぜんそくCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの病気を引き起こすことが知られています。また、副流煙がタバコを吸わない人の健康にも悪影響を与えることもわかりました。私たちがタバコに対する理解を深めたことでタバコの正体が暴かれ、タバコを吸わない人が増えたということです。タバコは癌だけでなく心臓や肺に関連した多くの病気の原因となります。タバコを吸われる方は、自身のためだけでなく大切なご家族のために是非禁煙を考えていただきたいと思います。禁煙は難しいと感じておられる方も大丈夫です。当院では禁煙外来を開設しており、禁煙までの道のりをサポートいたします。一人で悩まず、気軽に相談ください。

問合せ:医療法人塩田記念病院
【電話】35-0099

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