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病気の豆知識

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千葉県長柄町

■ラジオ波焼灼療法の紹介
塩田記念病院サイバーナイフセンター部長 肝臓内科部長 大木隆正

2023年4月より塩田記念病院においてサイバーナイフ治療(定位放射線治療)に加えて、ラジオ波焼灼療法を行う運びとなりました。ラジオ波焼灼療法は、お腹を「切らず」に肝細胞癌を治す画期的な治療法です。超音波で腫瘍を検出し、その場所にボールペンの芯ほどの細さの電極針を穿刺します。そして、穿刺した電極針に高周波を流し、熱により腫瘍を死滅させます。一般的には痛みの伴う治療と言われていますが、私は鎮痛剤と鎮静剤を同時に点滴することで、痛みのほとんど無い眠った状態で治療を行っています。
前任地では10年以上にわたり、全国10位内の治療件数をコンスタントに施行してきました。ラジオ波焼灼療法はその特性上、「どうしても針が刺せない」と言われる場所が存在します。例えば、病変が、肺、心臓、大腸など他の臓器と隣接しいるような場合です。電極針を病変部に穿刺し、熱で焼灼するという治療であるため、その影響が隣接する臓器に及んで損傷を与える危険があるためです。このような場所に存在する肝がんは「穿刺困難部位」と呼ばれますが、そのような場所にあっても、工夫をすることで問題無く治療ができます。これまで、約4000例のラジオ波焼灼療法を行いましたが、穿刺治療成功率は99.8%です。また、一般的に治療に伴う不具合(合併症)の発生率は3%と言われていますが、これまでの実績では0.5%に留まっています。これは、安全に治療が実施できている証左かと考えています。
ラジオ波焼灼療法の一般的な適応は、3cm、3個以内の肝細胞癌となります。しかしながら、条件によってはその範疇を超えても治療を行う場合があります。他の癌種が肝臓に転移した場合(転移性肝癌)に関しては、ラジオ波焼灼療法の有効性が確立していないため、紹介元の主治医の先生とよく相談しながら実施するかどうかを決めています。また、他病院でラジオ波焼灼療法が難しいと言われたケースでも、実際は治療可能である時があります。一度相談にいらしていただければと思います。

*ラジオ波焼灼療法にかかる時間
治療時間は30分~1時間分程度、治療中の痛みはありません。
術後の痛みは筋肉痛のような鈍い痛みがわずかにある程度です。
術後2-3日熱がでることがあります。
入院期間は5日~8日程度となります。

問合せ:医療法人塩田記念病院
【電話】35-0099

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