■切らずに治すサイバーナイフ治療
塩田記念病院 サイバーナイフセンター長 肝臓内科部長 大木隆正
サイバーナイフ治療は定位放射線治療というがんに対して放射線を照射して治療する最新の医療機器のひとつです。一般的な放射線治療と異なり、がんの部分に対してピンポイントに放射線を照射することができます。その一方で、放射線を当てたくない臓器への照射を極力抑えることが可能です。そのため治療効果が高いにも関わらず、副作用が非常に少ないという特徴があります。1回の治療時間は約30分、それを連続して3日間~7日間(がんの状態によって異なります)行います。治療効果は徐々に現れ、約9割の方で3~6ヶ月にがんが壊死した状態となります。治療自体は通院で行えるほど負担の少ないものですが、遠方の方は入院での治療も可能です。サイバーナイフ治療は以下のがん種に保険適応を有します。肺癌、肝癌、腎癌、前立腺癌、膵癌、脳腫瘍、遠隔転移など、いずれも大きさが5cm以下かつ病変の数が3~5個までとなっています。
がんには様々な種類があります。それぞれのがんに対して、標準治療と呼ばれる現時点で最も有効とされる治療方法が決まっています。サイバーナイフ治療はまだ新しい治療方法であるため、治療の「実績」が少なく標準治療として定められているがん種が少ない状態です。がんの治療は標準治療から受けるのが鉄則ですが、標準治療と呼ばれる治療は体に対して負担が大きいものも多いです。手術がその代表になります。本来は手術が一番良い選択肢であっても、年齢や併存疾患の兼ね合いでそれが難しい場合も多くなっています。そのような場合に、サイバーナイフ治療のような体に負担の少ない治療はとても良い選択肢になり得ます。
ご自身の病気にサイバーナイフ治療に適応があるかの判断はとても難しいと考えますので、その際はぜひご相談いただければと思います。外来は月曜日(終日)、金曜日(午後)となっています。
問合せ:医療法人塩田記念病院
【電話】35-0099
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