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病気の豆知識

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千葉県長柄町

■ピロリ菌感染について
塩田記念病院 副院長 総合診療部外科 部長 鈴木英之

かつて胃の中は胃酸の分泌で強い酸性環境にあるため細菌が生息できないと考えられていましたが、1982年にヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が自ら胃酸を中和することによって胃内に生息していることがわかりました。その後の研究でピロリ菌の感染が原因で慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんを引き起こすことがわかってきました。
また、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病や慢性蕁麻疹などの疾患にも関連しています。したがってピロリ菌感染の有無を検査すること、治療することはこれらの疾患の予防、治療に有効であると考えられています。
(原因)経口感染と考えられており、衛生環境不良な発展途上国で感染者が多いとされています。わが国でも高齢者には感染者が多く衛生環境改善に伴い若年者には少ないことがわかっています。
(診断)内視鏡による生検組織検査、尿素呼気法、血中抗体、便中抗原などがありますが、胃がん検診では血中抗体検査が採用されています。
(治療)除菌薬(2種類の抗菌薬と胃酸分泌抑制薬の組み合わせ)を1週間内服します。その後前述の検査でピロリ菌が消失したことを確認し除菌完了とします。これにより9割以上の患者さんは除菌が完了します。残りの1割の患者さんもさらに強力な2次除菌薬でほぼ除菌できるといわれています。
(治療後)ピロリ菌の除菌が完了しても、それ以前に罹患した慢性胃炎はそれ以上の進行を防ぐことができますが治癒するわけではないので、引き続き定期的な検査が必要です。

問合せ:医療法人塩田記念病院
【電話】35-0099

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