■幾度の困難を乗り越え令和に継承
7月20日、「神余日吉神社のかっこ舞」が、日吉神社の例祭において神社の境内や地区内各地で奉納されました。多くの見物客が見守る中、「あすなろ会」と「神余かっこ舞保存会」の皆さんが伝統の舞を演じました。
獅子を演じた吉田光把(みつば)さんは、「本番を迎えるまで不安で仕方なかったけれども、子どもの時に見た先輩方に近づけた気がする。地域の良い文化を自分も後輩たちに残していきたい」と、色鮮やかな獅子頭を外しながら初参加の感想を語ってくれました。
時代の流れの中で幾度となく中断されてきたかっこ舞奉納ですが、高校生による自主団体「あすなろ会」によって昭和49年に復活。平成8年に市指定無形民俗文化財の指定を受けるにあたり、後世への継承のため「神余かっこ舞保存会」を発足させ、復活から今年で50周年の節目を迎えました。
自身も高校生の時に獅子を演じ、現在は保存会役員の加藤善行さんは、「この地区ではかっこ舞に参加できるのは高校生になってから。舞を奉納する日は、家族や地域の方に『大人になりました』と感謝する日でもある。また、地元に帰省するきっかけにもなっていることが嬉しい」と話してくれました。
神余地区では節目の年に「神余かっこ舞復興50周年実行委員会」を組織し、様々な記念事業を企画しています。
その一環として、今年5月には東京都渋谷区の明治神宮「春の大祭」で奉納を行ったほか、10月6日(日)に日吉神社において「神余かっこ舞復興50周年記念式典」を予定しています。
※「吉田」さんの「吉」は環境依存文字のため置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
◇『神余かっこ舞』とは…
「雨を神に祈り、五穀豊穣を願って踊るようになった」と言い伝えられています。高校生による3人の男子が獅子頭を頭に乗せ、太鼓(かっこ)を腹に付けて踊り、側では4人の女子が雨を表す7色の紙を垂らした花笠を被り、カエルの鳴き声を表す「ササラ」を鳴らし祈ります。
◇神余かっこ舞保存会理念
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