文字サイズ
自治体の皆さまへ

市民のひろば「香取遺産」

28/33

千葉県香取市

■vol.207 令和生まれの山車
佐原の大祭で賑(にぎ)やかに曳き廻される山車。その躯体(くたい)は、土台から梁(はり)まで6本または8本の柱が立ち、上下の貫(ぬき)で連結する軸組み構造になっています。新上川岸(しんうわがし)区は、躯体部分の痛みが著しいことから、その保存修理方法について佐原山車行事伝承保存会と協議を重ねてきました。保存会では、学識者から構成される評議委員会に諮問(しもん)し、度重なる現地調査と審議を経て「躯体については新調すべき」との答申(とうしん)を受けました。これに係る修理費用については、文化庁と保存会が協議した結果、令和3年度補正予算事業文化芸術振興費補助金の交付を受けることができました。
復原新調に際しては、元の躯体と同じ大きさ、同じ工法を原則としつつ、構造的に弱い所は補強をするなど、一部に改良を加えています。
躯体の原材料は、木目の美しい厳選された国産のケヤキを使用しています。特に、正面は新潟県長岡市山古志産の四方柾(しほうまさ)の柱となっています。また、下高欄(したこうらん)には虎の毛並みのような木目の虎杢(とらもく)、擬宝珠柱(ぎぼしばしら)や土台には木目が同心円の形になっている玉杢(たまもく)が使われています。
先代の躯体は大正4年に再建されたもので、その一部に江戸時代の製作と伝わる先々代の部材を使用していました。このことから、今回の躯体の根太(ねだ)と土台の一部に先代の部材を使用することとしました。令和に生まれた新しい山車。そこには山車の歴史そのものが刻まれています。これからの百年、新上川岸区の皆さんの思いとともに、山車行事の歴史を歩んでいくことでしょう。

問合せ:生涯学習課
【電話】50-1224

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU