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香取遺産(vol.219)

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千葉県香取市

■装いも新たに 香取神宮楼門(ろうもん)
香取神宮の楼門は、元禄13(1700)年に江戸幕府によって建てられたもので、同時期に建てられた本殿と共に国の重要文化財です。構造は正面三間、側面二間でいわゆる三間一戸(さんげんいっと)、屋根は入母屋造(いりもやづくり)で銅板葺です。本殿・拝殿は檜皮葺(ひわだぶき)の屋根と黒漆(くろうるし)塗が特徴で、朱色の楼門とのコントラストが印象的です。
この楼門の塗り直しを、令和6年2月より国庫補助事業として実施しています。前回の塗り直しは平成2年の式年神幸祭(しきねんじんこうさい)の前ですので、約36年ぶりの塗り直しです。
塗り直しは既存の塗料を確認し、一度掻(か)き落とした後に、同様の塗料で施工していきます。特徴的な朱色は丹(たん)塗り、その他黒漆、胡粉(ごふん)、黄土(おうど)、緑青(ろくしょう)などを使用します。扉や欄干(らんかん)などに取り付けられた錺金具(かざりかなぐ)はいったん取り外し、修理などを行い、塗り直した後に取り付けていきます。
今回の塗り直し事業の過程では、何点か発見がありました。
まず、楼門2階の扉に、丹を掻き落とした後にわずかに黒い塗料の痕跡がありました。明治元年の香取神宮絵図などを確認すると、該当箇所が朱ではなく黒く表現している資料が複数見受けられます。あるいは、かつて扉の色は黒塗りで、その名残であるとも考えられます。
また、2階小屋裏で確認された棟札(むなふだ)には、昭和40年に檜皮葺を銅板葺きに改めたことなどの記載がありました。これにより、かつては本殿と同じ檜皮葺であったことが裏付けられました。
足場を組んだ際には、正面の屋根銅板に小さな毀損(きそん)が見つかり、雨漏りが生じていました。専門家の指導の下、毀損箇所の修理を行ったので、離れて見ると新しい銅板の場所が分かるしれません。
香取神宮では、これまで12年に一度の式年神幸祭に合わせて修理事業などを実施してきました。現在は令和8年4月の式年神幸祭に向け、楼門の他、境内(けいだい)の防災施設整備などを進めており、拝殿の一部塗り直しの準備も進めています。

問合せ:生涯学習課
【電話】50-1224

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