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ねっとりあま~いサツマイモのヒ・ミ・ツ

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千葉県香取市

サツマイモのシーズンといえば秋。でも「ねっとり甘く」なるのは、2月ごろだと知っていますか。市は、農業産出額全国4位のサツマイモ産地。市内でも一番生産されているべにはるかは「ねっとり系で濃厚な甘さ」が人気です。しかし、収穫直後のべにはるかは、甘味も控えめで「ほくほく」した食感。収穫から4カ月貯蔵して、甘みが強く「ねっとり」としたお芋に変化するのです。
サツマイモをおいしくする貯蔵のヒミツをご紹介!

■サツマイモがおいし~くなるヒ・ミ・ツ
◇甘さのヒミツ
収穫したばかりのサツマイモは、2~3割のデンプンを含んでいます。これを13~16℃で貯蔵すると、デンプンの一部がショ糖に変化し、甘みが増します。さらに、加熱すると残ったデンプンに酵素が作用し麦芽糖を生成してくれます。サツマイモの甘味は、貯蔵中に生成されたショ糖・ブドウ糖・果糖の3糖と、加熱で生成された麦芽糖の合計量で決まります。

◇食感のヒミツ
サツマイモの食感は、加熱後に分解されずに残ったデンプンの量で決まります。デンプンが多いと粉質で「ほくほく」に、4カ月ほど貯蔵し、デンプンが糖に変わっていると「しっとり、ねっとり」となります。この変化は品種によって大きく異なります。

◇甘さを引き出すためのヒミツ
サツマイモを甘くしてくれる酵素「β-アミラーゼ」は、サツマイモの中心温度が約70℃で最も活発に働きます。油で揚げたり、電子レンジなどによる5~10分程度の短時間で高温になる加熱では、甘味が弱く食感は粉質傾向に。蒸し芋や焼き芋など30分以上時間をかけて加熱すると、甘味が強く食感は粘質傾向になります。

■サツマイモをおいしくする魔法
サツマイモを貯蔵するためには、温度や湿度が重要で、上手に貯蔵しないと、品質が低下したり傷んでしまったりします。
温度13~16℃、湿度90~95%の好条件で貯蔵するさまざまな方法があります。

◇定温貯蔵(室内簡易貯蔵・専用貯蔵)
物置などに断熱材や調湿シート、換気扇などを設置する簡易貯蔵庫や、低温エアコンを装備した専用貯蔵庫を利用する貯蔵方法。

◇ハウス貯蔵
ハウスを利用して、保温材で囲ったり、地下室を掘ったりする貯蔵方法。

◇深穴・溝穴貯蔵
古くから行われている貯蔵方法で、地中深くは温度が15℃前後になる特性を利用しています。

◇上手に保存する三つのルール
ルール1:冷蔵庫を避けましょう。サツマイモは寒さと乾燥に弱い野菜です。冬場は、常温で保存を。
ルール2:密封は避けましょう。1本ずつ新聞紙で包み、数カ所穴を開けた紙袋や麻袋、段ボールなどに入れるのがオススメです。
ルール3:風通しが良く、直射日光に当たらない場所で保存をしましょう。保存期間は1カ月が目安です。

■伊藤 友則市長
これまでは、深穴や溝穴での貯蔵が一般的でしたが、安全性や作業効率、温度管理などが難しく一部腐敗してしまうこともあり、ハウス内貯蔵や室内簡易貯蔵、専用貯蔵などに変わってきています。
特に専用貯蔵は、作業効率が上がるだけでなく、腐敗の発生率を抑え、長期保存が可能なことから、通年で安定した出荷を行うことができるようになりました。
県は生産者の規模拡大の推進と周年出荷体制の整備による生産・販売力の強化を図るため「さつまいも生産拡大緊急プロジェクト事業」を創設し、定温貯蔵庫の導入・整備などの補助事業を行っています。さらに市では、独自施策として対象事業費に10%の上乗せ補助を行っています。
令和5年度にはこれらを利用した貯蔵庫が7棟整備されました。今後もさらなる産地強化に向けた支援を続けていきます。

問合せ:農政課
【電話】50-1258

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