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香取遺産(vol.212)

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千葉県香取市

■国史跡「下総佐倉油田牧跡(しもうささくらあぶらだまきあと)」と地名
かつて九美上地区周辺の広範囲に、油田牧という馬を放牧するための牧がありました。牧は江戸幕府が整備した馬牧のことです。房総半島には大きく分けて、佐倉七牧、小金五牧、嶺岡五牧の3カ所が置かれ、油田牧は、佐倉七牧の北東端に位置しています。
油田牧範囲の西端に残されている野馬込跡(のまごめあと)(令和元年国史跡指定)は、年1回、野馬捕(のまど)りの際に使われた土塁(どるい)状の施設跡です。詳細は香取遺産Vol.156で紹介しています。
牧関連の遺構(いこう)として、牧の外周を囲む野馬除土手跡(のまよけどてあと)や牧の内部を仕切る勢子土手跡(せこどてあと)も各所に残されています。その一部は、野馬込跡付近の道路脇や、駐在所のある九美上交差点付近で目にすることができます。
遺構以外にも、野馬込跡周辺は駒込という小字になっているなど、地名にもその名残りがあります。牧と周辺村々の境には、馬や人の出入りを管理する木戸番(きどばん)が置かれましたが、九美上周辺には、木戸にちなむ小字が確認できます。木戸前・木戸脇(大根)、木戸前・毛ケ木戸(下小野)、野馬木戸(織幡)、古木戸(油田)、木戸脇(高萩)、野馬木戸(岩部)、木戸前(伊地山)といった小字で、こうした場所に木戸があったのでしょうか。その他、土手添・下馬谷(返田)、堀尻・堀尻台・堀ノ前(大根)、堀志り(福田)といった小字も牧と関連がありそうです。
九美上という地名は、明治2年に政府が牧跡の開墾事業を始めた際に、開墾順に数字を付けた比較的新しい地名です。近隣では、七栄・八街・十倉・十余三といった地名もあります。

問合せ:生涯学習課
【電話】50-1224

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