■香取神宮の参道と参詣道(さんけいみち)
香取神宮第1駐車場から総門に至る道は表参道と旧参道、北に位置する桜の馬場から本殿までの道を北参道と呼び、各地の参詣者が参道に向かうまでの道は参詣道と呼ばれます。
香取神宮への参詣は盛んであり、境内はもとより表参道と駐車場はにぎわい、南に接する県道佐原山田線には多くの車の往来があります。対して江戸時代から盛んになった津宮地区を経由した参詣については、香取遺産vol.196(令和4年4月)で起点の津宮の大鳥居と宿場、地区名の由来である忍男(おしお)神社・膽男(まもりお)神社の二社、朝廷からの使者が身を清めた根本川、じょんぬき橋までの参詣道を紹介したところです。さらに神宮への参詣道を進むと神道山(しんどうやま)の山裾の道となります。神道山の山頂には古墳12基からなる神道山古墳群、山裾には神宮の式年神幸祭の際に神輿(しんよ)が留め置かれる御駐輦所(ごちゅうれんしょ)があります。南下して神宮が鎮座する亀甲山(かめがせやま)に向かうには、大坂と呼ばれる坂道を上ります。大坂は切通しの道で、人がすれ違えるほどの道幅です。また、坂の中ほどには大坂の井と呼ばれる湧水と分かれ道があります。湧水は参詣者が身を清めるために使ったことが推測されます。分かれ道は幅1mほどの険しい切通しで、桜の馬場に至ります。大坂を進むと旧参道と合流して、津宮からの参詣道の終点となります。
昭和10年代後半に新たに表参道が整備されたため、商店などは次第に表参道へ移っていきましたが、旧参道には、かつては旅館、土産物店の他、郵便局、米屋、床屋などがそろい、近辺地域の生活に欠かせない商店街となっていました。
現在では参詣者の自動車移動の需要に合わせた整備がされていますが、周辺を歩く機会がありましたら、今回紹介したスポットに目を留めてみてはいかがでしょうか。
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