■古くから伝わる大切な文化行事 大山寺の「火渡り祭」
(長谷川 孝夫)
大山不動尊で行われた「柴燈護摩供法要」火渡り祭に伺いました。護摩壇が燃え上がり、煙が空高く舞い上がった途端、それまでの青空が急に雲に覆われ、冷んやりとした気配が漂ってきました。昔からの生業である稲作を、天水に頼っていたこの地方では、「雨乞い」を行う風習がありました。隣にいた長老はこの空模様を見て感じとり「この時期農家の人たちは雨にすがる思いを大山の不動様にお祈りをしていた」のだと、話してくれました。
その後、護摩壇が燃えつきるのを待って「火渡り」が始まりました。炭火を敷き詰めた火の中を修行者(参加者)は、それぞれの願いを込めて裸足で渡っていました。神秘的な雰囲気に包まれた中でこの勇壮な光景は、多くの地域の参拝者や観光客に感動と精神的な充実感を与えてくれました。大山寺の「火渡り祭」は、この時期の風物詩として知られています。一度は見ておきたい、古くから伝わる大切な文化行事であることを感じました。
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