過去の教訓から、「教育が命を救う」
-津波避難訓練から―
1月20日(月)午前9時01分、市の沿岸部に大津波警報が発表され、避難指示を知らせるためのサイレンが防災行政無線から鳴り響きました。この日は「津波避難訓練」が実施され、私は鴨川小学校周辺に出向き、避難の様子を見守りました。鴨川小学校は沿岸に近いため、日頃から保護者と共に津波避難についての啓発を行っています。市では、津波が迫った際には「10分以内に10m以上の高台に避難する」ことを呼びかけています。同校では校舎3階がその基準を満たしており、訓練に参加した子どもたちからは「体育館から3階まで行くのは初めてで焦ったが、先生の指示でしっかりと訓練できてよかった」という声がありました。先生方からは「普段からの訓練が大切である」との話があり、私からも「まず自分の命を守ることが最優先である」ことの重要性を伝えました。
今から322年ほど前の1703年(元禄16年)11月22日、「元禄大地震」が発生しました。房総沖を震源とし、マグニチュード7.9~8.2と推定され、地震と津波の被害が房総各地に広がりました。前原海岸では、家屋などが津波で流され多くの犠牲者が出ましたが、“山王様”と呼ばれる高さ10mの丘に避難した人々は助かりました。現在のイオン鴨川店付近でも多くの民家が津波にのまれ、観音寺に逃げた人だけが生き延びたと伝えられています。さらに、小湊さとうみ学校付近にあった“海老塚”と呼ばれる丘を津波が乗り越えたという記録も残っています。
こうした古くからの言い伝えは、現代の防災意識を高めるうえでも重要です。私たちは、これらの歴史を学びながら、防災の知識を次世代に伝えていく責務があると思っています。
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