龍神地鶏と龍神コッコ
皆さん、龍神地鶏をご存じですか。龍神地鶏は田辺市龍神村地域固有の希少な日本鶏です。300年以上前から飼育されてきましたが、近親交配が進み、遺伝的な多様性が低下したため、絶滅が危惧されています。県の養鶏研究所では、2012年からこの貴重な遺伝資源である龍神地鶏を保護し、保存する取り組みを行っています。
養鶏研究所では、純血種の保存に加えて、商業種の「ロードアイランドレッド」との交配により、「龍神コッコ」という新たな卵用地鶏を開発しました。龍神地鶏は普通の鶏より体も卵も小さいので、龍神コッコの卵も小ぶりです。しかし、卵黄比率が高く、うまみ成分のグルタミン酸が一般卵よりも多いので、濃厚な味わいでコクがあり、後味も良く卵かけごはんにぴったりです。2021年から、龍神村で飼育が始まり、卵が販売されています。
卵の販売に合わせて、龍神村のケーキ屋さんでは「龍神コッコのプリン」も売りだしました。バニラもカラメルも使っていなくて、卵本来の味と香りが楽しめる逸品です。
この背景には、龍神村商工会をはじめ地域の各種団体や養鶏農家で作る「龍神コッコ普及協議会」の存在があります。龍神村では、この他にも、「龍神村ドラゴンミュージアム」や「龍神生しいたけ」など住民の力で、地域おこしが進んでいます。日本三美人の湯「龍神温泉」に加えて、新しいことに挑戦し続ける地域の皆さんには敬意を表します。
タウンミーティングで県内を回ると、同じように活発な地域おこしをしている場所がたくさんあり、パワーをいただいています。
和歌山県知事 岸本 周平
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