町長メッセージ 町民のみなさまへ

1／41

長寿社会が到来し、「人生100年時代」といわれる時代になりました。広告などでは前向きなキャッチコピーとして使われることが多いですが、現実は厳しい時代でもあると思います。
令和3年の平均寿命は、男性が約81歳、女性が約87歳と年々伸び続けていますが、健康寿命(介護や病気によって制限されることなく健康的に日常生活を送れる年齢)との間には、男性で約8年、女性では約12年の開きがあります。この開きは人生の最後の8年～12年を、病気による入院や要介護の状態で過ごすということにほかなりません。せっかく長生きしても、認知症や病気・ケガで生活を制限されながら生きるのは辛いことだと思います。しかも入院や介護にはお金もかかることから、歳を取ってもずっと健康とお金の不安が消えないわけです。
「人生100年時代」となった今だからこそ、そこに向けた準備が必要になっていると思います。一人一人にとって今、大事なことは、いかに「身体」と「心」を健やかに保つかということです。
食生活などの生活習慣の見直し、さらにはスポーツや趣味に取り組むなど、自分自身の生活を見直すことで、その後の人生は大きく変わります。晩年に向けての準備は、お金だけではなく、健康も準備しなければならないということです。仕事が趣味という人もいますが、趣味が無いと仕事を辞めた時に、目標や生きがいを見つけにくく、ひいては健康に悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
先日、町内の100歳の皆さまを訪問させていただきました。その中の一人の女性はキチンと着物を着こなし、座卓に正座され、お茶や手芸などを嗜む方で、とても100歳とは思えませんでした。一人で生活され、食事も自炊されているとのことでしたが、何よりも感動したのは「毎日が楽しい」と話されたことでした。お茶や手芸の仲間と過ごす時間は、年齢を忘れさせてくれるそうです。晩年は、この女性のような生き方をしたいと思いました。

かつらぎ町長　中阪雅則