今回は「車井戸(くるまいど)」を紹介します。
そもそも井戸とは地面を掘って地下水を汲み上げ、生活用水にするものです。場所により水面が浅い井戸もありますが、たいてい深い井戸で、釣瓶(つるべ)(桶)に綱をつけて井戸の底に落として汲み上げていました。
釣瓶は水面への落下に耐え、水の中に速やかに沈む丈夫なつくりになっており、その釣瓶に水が入ったものを引き上げるのは重労働であったことでしょう。
さて、車井戸とは「滑車の溝に綱をかけ、その両端に釣瓶をつけて綱をたぐって水をくむ装置の井戸」(広辞苑)で、釣瓶を引き上げるには片方の綱を引き下げればよく、また同時に片方の釣瓶が下がるので次の水汲みも楽になるという、よく考えられた方法です。
資料館に展示している車井戸の装置は、滑車の車部分以外は鉄製で綱も鎖(くさり)であり頑丈で大変重いです。滑車を設置するには相当丈夫な支え部分が必要だったと思われます。
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