■和歌の聖地・和歌の浦誕生1300年
奈良時代、弱浜(わかのはま)と呼ばれた和歌の浦には紀の川が流れ込み、724年に万葉歌人らを伴ってこの地を訪れた聖武天皇が、そのあまりの美しさを讃え、明光浦(あかのうら)と名付け、山部赤人が「若の浦に潮満ちくれば潟を無み葦辺を指して鶴鳴き渡る」と詠み、以来この地は和歌の聖地・和歌の浦となりました。
今年はその歴史が始まって1300年に当たることから、10月5日から11月24日まで和歌の聖地・和歌の浦誕生を祝う千三百年記念行事が開催されます。
和歌の浦の景観や文化は、これまで多くの人の手で守られ育まれてきましたが、この記念行事も和歌の浦が好きで好きでたまらない地元をはじめ多くの方々の熱意と力で開かれます。何度も何度も打ち合わせ、協賛をもらうため奔走され、懸命に準備された方々がおられなければ、実現できませんでした。特に10月27日には、和歌の聖地となった奈良時代から始まり、平安、江戸、そして現在から未来へと続く時代絵巻行列が行われ、圧巻です。まさに、和歌の浦の地は、1300年という悠久の時間の中で和歌をはじめ、日本の多くの文化が集積されているのを感じて頂けると思います。
9月29日には、和歌浦周遊の拠点となる「あしべ庵」もオープンし、より和歌の浦を楽しみやすくなります。
この秋は「和歌の聖地」へ足を運ばれ、和歌の文化を体感していただければ幸いです。
和歌山市長 尾花正啓
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