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【特集】ちょうどいい田舎、有田市で暮らす(1)

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和歌山県有田市

「あなたにとって有田市ってどんなまちですか?」
そう聞かれたら、あなたはどう答えますか?
出生数の減少や、就学・進学のために若者の市外への転出が続いていることなどから、有田市の人口は、昭和55年の35,683人をピークに減り続けています。

その一方で、有田市に魅力を感じて移り住んでくる方たちもいらっしゃいます。
その方たちがどうして有田市を選んだのか?移住した今、何を思い、暮らしているのか?
私たちが普段気づいていない有田市の魅力を知るうえで、移住者の皆さんの言葉にヒントが隠されているのかもしれません。

■人との距離感がちょうどいい
BLUE MARBLE(ブルーマーブル)
瀬戸悠輔(せと ゆうすけ)さん・岸田勇人(きしだ ゆうと)さん

今回の表紙に登場した、幻想的な矢櫃の魚と宇宙空間を空き家というキャンバスに表現されたのは、京都芸術大学を卒業し、2022年から糸我町で体験型の雑貨屋「BLUE MARBLE」を営むお二人。
大阪府・京都府出身。幼少期から都市部の冷たさが苦手で、自然のある場所を求めていたそう。芸大在学中に、自然環境×デザインをテーマに研究を続け、意気投合。デザイン、アートの仕事をしながら、自然環境を守るために活動したいという思いから和歌山を移住先に決め、雑貨屋を開業されました。「移住先に和歌山を選んだのは、むき出しの自然に惹かれているから。和歌山は自然のスケール感、可能性がすごいと思うんです。その自然環境を、デザイン・アートを通じて皆さんと一緒に考え、大切にしていければ。」と瀬戸さん。
移住してきたのはコロナ禍真っ只中。「人とのつながりがない、人脈がない、集まれる場所もない、ないないばかりで焦っていましたが、役場に相談に行ったらいろんな方を紹介してくれました。都会でそんな相談したら変なやつだと思われてしまうかも(笑)ここは、人と人との距離が近くてちょうどいい。最初は都市部から来たから、よそ者がやってきたと思われるんじゃないか、受け入れてもらえないんじゃないか、と不安が大きかったですが、喋ってみたらすぐ友達になれました。」
博物館のような二人の思いが詰まった雑貨屋は、いわば副業だそう。
「人が集まれる場所を作って、一緒に考えて活動していきたい。」
25歳の二人は、有田の可能性とこれからのビジョンを、真摯に、熱く語ってくれました。

■思いきりみかん畑の中で
大城翔大(おおしろ しょうた)さん・ひかるさん
5年前、テレビで有田市の新規就農支援策「AGRIーLINK」の特集を見て、これならやっていけそうと、勇気を出して有田みかん課に電話をくれた大城さんご夫婦。何度か相談を重ね、移住を決意されました。
「飛び込んでみようという性格なので、就農への不安はあまりなかったです。有田市は、自然が豊かで地域の雰囲気も良い。最初にびっくりしたのは、車同士がすれ違う時に相手の顔を確認するところ。常に気にかけてくれる懐の深さが、ちょうど心地よかったです。」と翔大さん。「みかん畑が壮大。大好きなみかんが思いっきり見える景色はここならでは。毎日見られることが嬉しいです。」とひかるさん。
2年間の研修を経て、昨年5月から独立。今は畑を8反耕作していて、ひかるさんも独立のタイミングで一緒に農業を開始しました。
「こどもたちのなりたい職業が農家になれば」という思いは、5年前も今も変わらない。「農業はしんどいだけというイメージを変えていきたい。もちろん自然環境が相手なので常に天候のことは気にかけていないといけないが、どうしたらおいしいみかんが作れるか、土づくりはどうすれば良いか、自分で勉強してやり方を決めていくことができます。夏場は休みもとりやすいし、オンオフをつけやすい。農業って面白い職業だと思ってもらえるように発信していきたい。」
柔らかい物腰で話してくれるお二人ですが、みかん作りを極めていくという覚悟が伝わってきました。

■子育てにもちょうどいい
廣畑和紀(ひろはた かずき)さん・友絵(ともえ)さん・凪咲(なぎさ)ちゃん
和紀さんはかつらぎ町、友絵さんは静岡県出身。そんなお二人の出会いは東京で、共通の趣味のダイビングサークルから始まったそう。和紀さんの出向期間が終わり、和歌山へ戻ってくるタイミングで結婚を決意。
ダイビングに行きやすく、職場にも近い場所で家を探していたところ、有田市に白羽の矢が。始めはアパートに暮らしながら土地を探し、立地の良い分譲区画があったことから、有田市に家を建てることに。最初は関西の言葉が難しかったという友絵さん。「言葉は難しかったけど、ご近所さんがよく声をかけてくれて馴染みやすかったです。これまで経験がなかったのでびっくりしたんですが、みかんや野菜をいただいたりもします。最近では、私も夫の言葉がうつってきました(笑)」
凪咲ちゃんは1歳9カ月。お二人とも平日は仕事をしながら、協力して育児と家事を両立中。「引っ越してきた後から始まったんですが、市の子育て支援『マリー・ユー』もありがたかったです。ちょうど妊娠中・出産後に使えるチケットもいただけて、手厚かったです。保健センターでのお母さん向けの催しも多くて嬉しい。」と友絵さん。和紀さんは、「自然も多いし、ゆったりしていて子育てにいい環境。パパも参加できる保健センターでのイベントがあれば。」と、育児にも積極的。
凪咲ちゃんのこれからについては、「自分がやりたいと思ったことをやってほしい。でも水泳は習ってくれたら嬉しいな。大きくなったら一緒にダイビングへ行きたいから。」とお二人。
少し涼しい風が吹きはじめた穏やかな昼下がり、家を建てる時に一番こだわったお庭で、お二人は優しい笑顔で凪咲ちゃんを見守りながら取材に答えてくれました。

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