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より良い有田市をめざして~全国青年市長会~

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和歌山県有田市

2008年6月(16年前)、来る9月の市長選挙に向け、当時36歳の若い市長候補予定者として活動する私のもとに「全国青年市長会長木下博信(きのしたひろのぶ)草加市長」から「必勝」の文字の大きな為書きが届きました。この時青年市長会の存在を知り、初当選後の5月に私は自然と入会していました。会員資格は49歳までに当選した市長で、当時は51名の会員数でしたが、現在は109名と倍増しています。この間、それだけ全国で若い市長が増えているということです。そこでは多くの若手市長に出会い、共に本音で研鑽する中で私自身も大きく磨かれたように思います。特に勉強会に社会批評家の金美齢(きん びれい)さんをお迎えし、少子化の今、こどもを、命を、生み育むことの尊さをお話いただいた内容は今も心の奥底まで染みていますし、子育て政策の核心が私の中に備わった機会となりました。
また、ある市長さんが私の好きな話ですと前置きし、こんな話をされました。「作家の小林秀雄(こばやしひでお)さんが学生との対話を編集した著書の中で、大学生から、天皇陛下に対する接し方をどうすれば良いかという質問があったのです。
小林さんは直接的な答えはないとしながらも、天皇陛下の宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)「新嘗祭(にいなめさい)」のお話をされました。新嘗祭の夜、陛下はたった独りで賢所(かしこどころ)にお入りになる。そこで何をなさっているかは誰にもわからない。新嘗祭ですから新しいお米を神様にお供えしてお礼を申し上げる。天皇だけが綿々と守ってこられた儀式です。私達も神社に赴きお願い事をしますが、そこでお願いするのは自分のことや、家族のことなどが多いのではないでしょうか。天皇陛下は長い時間、賢所で民のために五穀豊穣、国民の幸せをお祈りされていらっしゃるのではないか、そんな存在は本当に特別ですよね。もしかしたら、市長という存在も、自分のことではなく広く市民社会の安寧を祈り、日々職務に向き合うという、そんな尊い職務ではないでしょうか」と挨拶され、私は強く胸を打たれました。
この尊い職務の任期もいよいよ残り約3か月となりました。16年分の想いをしっかりとかみしめながら、最後の日まで引き締めてまいります。

有田市長 望月 良男

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