いよいよ在職期間も残り1ヶ月、少し寂しさを感じていますが、今回は市民の皆様に有田市の財政についてお届けします。財政とは、皆様感じているとおり、すべての政策、まちづくりの根幹にある大切なものです。16年前を振り返ると、本市の財政はそれは大変な状況で、予算を成立させるために職員の給与カットにとどまらず、退職金のカットまで踏み込むような状況でした。各種団体への補助金は軒並みカット、事業仕分けという名のもとに、財政健全化に向け、とにかく財政規模を縮小せざるを得ない、そんな行き詰まった四面楚歌の状況でした。借金の抑制と人件費のカット、前年度より縮減した予算編成、そんな前半戦であったと振り返っています。
さて、現在はどうでしょう。大きな2つの投資で未来へ責任を持つ財政運営の哲学を持ち、人口減少時代において、集約化しつつ時代を見据えた新たなまちづくりへの投資と、有田市の魅力をしっかりと磨き、賑わいを創造する投資、この2つの投資を基本に財政運営を力強く進めているのが現在の強い体質の有田市財政といえます。
ここで「将来負担比率」という一つの財政指標を紹介します。これは、有田市の借金と財政力の関係を示す指標で、将来にツケを残すことのないように注視する数字です。実はこの数字が「ゼロ」で将来への負担が発生していないのが現在の有田市財政です。簡単に言えば、借金より貯金の方が多いまちということです。要因は一言では言い切れませんが、さらに良い状態を創り保つための投資を続けているのが、今の有田市の特徴となります。有田市の財政は心配のいらない素晴らしいものとなりました。もちろん、財政規律を堅持する意識を緩めれば、すぐに悪化してしまう危険をはらんでいます。いわば財政は生き物ですから、これからもしっかりと財政基盤を堅持できるように次の市長に引き継いでまいります。
有田市財政について市民の皆様に安心していただいたところで、私の本投稿も次回で最後を迎えます。最後は心の底からの感謝を皆様に伝え、私の「より良い有田市をめざして」の幕を閉じたいと思います。
有田市長 望月 良男
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