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自治体の皆さまへ

SDGsって何なん?の疑問に箕島高校生がお答えします!(2)

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和歌山県有田市

■人にも環境にも優しい贈り物
有限会社ヒカル・オーキッド代表取締役 佐原 宏(さはら ひろし)さん

昇進や開店などお祝いの贈り物として不動の人気を誇る胡蝶蘭。有限会社ヒカル・オーキッドは約40年前に千田で創業し、年間約20万株の胡蝶蘭を生産されています。
華やかに長く花を咲かせる胡蝶蘭ですが、陶器の鉢や鉄線の支柱は、花が咲き終わった後は不燃ごみとして捨てるのが一般的でした。本来相手に喜んでいただくために贈る胡蝶蘭が、廃棄のわずらわしさによって送り先のストレスになっている。そんな状況に心を痛めていた佐原社長。お客様の処分に係る負担を減らしたいという思いから約7年前にプロジェクトを始動。これが結果的に、環境への負荷が少ない商品「フォアス」の開発につながりました。
約5年の歳月をかけて開発した新商品「フォアス」は、SDGsを念頭に「ForOneEarth」という言葉にちなんで名付けられました。鉢は再生紙を使った和紙製、支柱は竹やヒノキに置き換え、「不燃ごみゼロ」という国内初の環境配慮型の胡蝶蘭が誕生しました。さらに、胡蝶蘭の苗を回収し、再度花を咲かせる再育生にも取り組まれています。
「胡蝶蘭の持つ華やかさや美しさだけではなく、贈る方にも贈られる方にも時代に求められる倫理的な価値をお届けしたい。フォアスの特徴を説明すると、思っていた以上に皆さん理念に共感していただけます」と佐原社長。これからの時代に求められる人にも環境にも優しい贈り物が、少しずつ広まっています。

◇TOPICS
「0から1を作り出すのは本当に大変。今やっと歯車が回りだしたようなところです」と笑う佐原社長。
もう一つの新しいプロジェクトである、胡蝶蘭が主役のギャラリー、フラワーショップ、カフェが秋以降にオープン予定です。「こどもたちや若者世代、住む方々が誇りに思えるまち、前向きに働ける場所をつくる。私たちなりに地域の抱える課題に答えを出していきたいと考えています。まだまだ途中ですが、この施設をきっかけとして、また新しい価値感を作り出していきたいと思っています」

■農家の視点から変えられること
もぎたてありだ 代表 坂本 孝利(さかもと たかとし)さん
「サイズが少し大きい、味に問題はないけど傷がある―このような規格外の農作物は、市場では取引されません。でも、そんな現状を少し変える力になりたい」農業支援会社を経営する坂本さんが、なかたにファームの中谷友哉(なかたにゆうや)
さん、いちご農家の江川 佑宜(えかわ ゆうき)さんと立ち上げたのが「もぎたてありだ」。
「規格外の農作物を農家の視点からうまく活用し、食品のロスを減らしたい」という思いで作った「ありだフラッペ」は、『第20回有田ふるさとうまいもんまつり』のスイーツ部門で優勝に輝きました。
代表の坂本さんは、学生の学びの場にも積極的に関わっています。有和中学校3年生は現在「ゆうわプロジェクト」で12班にわかれて学習中。その中の1つの班と、廃棄される食材を利用した有田の新商品の開発に取り組んでいます。「SDGsの観点は、生徒自ら調べ学習の中からたどり着いた答えなんですよ」と嬉しそうに話す坂本さん。
また、昨年は、和歌山商工会議所などでつくる実行委員会が主催したビジネスプランコンテストに応募したいという箕島高校生をサポート。廃棄されるみかんを使ったスイーツと、カップとスプーンも食べられる「ごみゼロ」の商品企画をサポートし、最優秀賞を獲得しました。
農家としての経験も踏まえ、地域を巻き込みながら、学生たちの質の高い学びも見つめてくれています。

◇TOPICS
今年2月には、宮崎町にジェラート店「もぎたてありだ」を開き、市場に出回らない規格外の農作物などを使った季節のジェラートを販売。口コミで話題になり、現在、JR和歌山駅ビルにも期間限定出店中(8月31日(土)まで)で大忙しの坂本さん。「色々な観点から学生たちとも関わっていたいし、お世話になった有田の方々にも恩返ししていきたいです」
地域を巻き込みながら、農作物の価値を高める新たな挑戦が始まっています。

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