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自治体の皆さまへ

誰もが安心して暮らせるように~知っておきたい成年後見制度~(2)

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和歌山県紀の川市

■権利擁護センター
市では、令和4年4月に市社会福祉協議会が開設した権利擁護センター「架け橋」に、成年後見利用支援事業を委託しています。これまで、権利擁護に関する専門の窓口が無く、それぞれの担当課で相談に応じていましたが、相談窓口が一本化されたことにより、専門性の高い相談支援が実現しています。令和4年度の相談件数は前年度から約2倍になり、地域における権利擁護に対するニーズが高まっていることが分かります。

■制度を知ってほしい
権利擁護センターでは、取り組みの一つとして、地域の高齢者のサロンや集会などが開催されるさまざまな場所で、権利擁護に関する周知活動を実施しています。
「センターが開設されて、自分たちの役割として、まず制度を周知していくことが大切であると感じました」と小林伊珠美(いずみ)さんは話します。権利擁護に関するさまざまな制度の内容は知られていないことが多く、このままでは、制度の利用が必要な時に迅速な支援につながらないと警笛を鳴らします。制度を知ることは、自分や家族が困った時に選択肢を増やす方法の一つ。まずは気軽に相談し、制度を知ることから始めてみましょう。
いつも相談者の立場になり、寄り添った支援を心がけている小林さん。「ささいなことでも、気軽な気持ちで相談に来てください」と柔らかな笑顔で話してくれました。

■充実したサポート体制
権利擁護センターでは、地域の事業所や金融機関、医療機関などと連携し、困りごとを抱えた人の情報を共有できるように、地域連携ネットワークづくりを推進しています。また、定期的に支援調整委員会を開催し、支援を必要とする人が、最適な支援を受けられるように、専門家を交えて支援方針を検討。人生を左右する重要なことを決めるため、慎重に調整を行い、本人の意思を最大限尊重し、本人の希望する暮らしを実現できるよう全力でサポートしています。


市社会福祉協議会への権利擁護に関する相談件数
※R5年度は9月末までの件数から推計

●制度利用の流れ
最初は相談窓口へ相談してください!
適切な助言を行い、適切な制度を案内します。
※全ての人に成年後見制度が当てはまるとは限りません。

▽申し立て準備
必要な書類一式をそろえ、診断書、戸籍謄本、申立書の作成などを準備します。

▽申し立て
申立書などの必要書類と、申立手数料(約1万円)を用意し、家庭裁判所へ申し立てを行います。
※申し立ては裁判所への事前予約が必要です。

▽審判手続き
家庭裁判所の調査官が、本人や家族、医師から本人の判断能力や生活状況を確認し、その実情に応じて最も適切な人を後見人などに選任します。

▽支援開始
後見人などが決まり、保護・支援を開始

●支援調整委員会の様子
弁護士、司法書士、社会福祉士、障害者相談事業所、市社会福祉協議会、市関係課によって委員構成されており、さまざまな専門家が支援の検討を実施しています。また、月に1回、定例で開催しているのは、県内では唯一の取り組みです。

支援内容:
・財産管理…本人の預貯金の管理、不動産の処分などの財産に関する契約などの支援を行います。
・身上保護…医療・介護・福祉サービスの利用や施設の入退所の手続き、費用の支払いなど、日常生活に関わる契約などの支援を行います。

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