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自治体の皆さまへ

誰もが安心して暮らせるように~知っておきたい成年後見制度~(3)

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和歌山県紀の川市

◆支援調整委員会の参加者の声
▽紀の川市でよかったと思えるように
基幹相談支援センター
麦の郷 紀の川生活支援センター
センター長 窪原麻希さん

会ったことのない人に対して、その人の気持ちに寄り添い、人権が守られ、より良い人生となるよう意識し、会議に出席しています。最近特に、誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らせるまちづくりが求められていると感じています。その中で、権利擁護センターを介して、さまざまな機関が連携できるネットワークが広がっていることは、本当にありがたいです。「基幹相談支援センター」というと、敷居が高いなと感じるかもしれません。地域のさまざまな人たちとのつながりを大切にしています。メンタルヘルスや障害福祉分野に関することなら、どんなささいなことでも気軽に相談してください。権利擁護センターによって、本人の意向が改めて確認され、生きづらさを支援する手立てにつながることで、「紀の川市に生まれてよかったな、生活していて嬉しいな」と思ってもらえるよう活動していきたいです。

▽あくまでも万能ではない
支援調整委員会 委員長
どばし・おざき総合法律事務所
弁護士 土橋弘幸さん

市の現状としては、8050問題に代表されるように、複合的な課題を抱える家庭が増えてきているように感じます。権利擁護センターができたので、支援が行き届いていなかった人たちに対して、支援の手が届くようになり、成年後見制度のニーズが掘り起こされているかなと思います。ただ、制度の認知度が低いので、制度の利用につながらないことも多いです。相談に来てもらえれば、分かりやすく丁寧に説明をするので、まずは相談へ来てください。一人一人に寄り添い、本人の思いを汲み取り、意思を尊重した生き方を実現することを第一に考え、支援しています。成年後見は、メリットだけでなくデメリットがあり、報酬の支払いが発生したり、権利を制限する面もあります。あくまでも制度は万能ではないので、専門職が連携し、チームとなり支援することで、持てる知識を最大限活用して、本人を最適な支援へと導いていきます。

◆相談窓口はこちら☟
●成年後見制度などに関する相談
▽権利擁護センター「架け橋」(社会福祉協議会)
権利擁護に関する相談支援を行います。さまざまな制度を活用し、地域での暮らしをサポート。

問い合わせ:【電話】66-1211(桃山町最上1253-2)

●高齢者に関する相談
▽高齢介護課
介護保険・介護予防などに関すること。

問い合わせ:【電話】77-2511(本庁2階)

▽紀の川市地域包括支援センター「愛の手」
高齢者の総合相談窓口で、認知症などに関するお悩みに専門職が対応。

問い合わせ:【電話】77-0350(本庁2階)

●障害者に関する相談
▽障害福祉課
障害福祉サービス・障害制度に関すること。

問い合わせ:【電話】77-2511【FAX】79-3926(本庁2階)

▽麦の郷 紀の川生活支援センター
障害のある人や生きづらさを抱えた人の相談支援を行っています。気軽に安心して過ごせる居場所を提供。

問い合わせ:
【電話】78-2808【FAX】78-2807(尾崎79-1)

■増え続ける問題
私たちが抱える問題は、年々複雑になり、8050問題や認知症といった社会問題が本市でも起こっています。今後も、問題の増加は避けられないのが事実です。誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、地域全体で助け合うことが必要です。しかし、地域のつながりが希薄化することで、問題の発見や対応が遅れる恐れがあります。行政や支援機関、地域住民が協力し合い、地域で地域の人を支える気持ちが重要です。

■まずは相談してください
今回紹介した成年後見制度は、さまざまな制度や支援がある中で、あくまでも一つの選択肢に過ぎません。また、制度を利用しても、全ての問題をすぐに解決できないのが現状です。
今回の特集をきっかけに、自身や周りの人が、困っていることや不安なことなど、普段の生活に生きづらさを感じている場合は、少しでも円滑に問題を解決するために、一人で悩まずに、まずは相談窓口へ相談してください。

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※権利擁護…個人の尊厳を保持し、その人らしく暮らし続けるようにすること。成年後見制度はそのうちの支援の一つ
※8050問題…80代の親が、50代のひきこもりなどの子どもの生活を支えている状態

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