命をつなぐボランティア 献血(2)

3／43

■インタビュー(interview)
●出産後出血が止まらず輸血を経験
市内　在住　中垣内真帆さん
(恩返しはこの子と一緒に)

1月に長女柊愛を出産しました。初めての出産で難産となり、出産はこんなにも大変なものなんだと痛感しました。
出産後、何時間経っても出血が止まらず、貧血の症状が出てきました。様子を見ていたのですが、一晩経っても出血していたので、病院の先生に相談しました。その頃には顔色も悪くなり、意識が飛んでしまうこともありました。
先生に輸血を勧められ、輸血をしながら救急車で大きな病院に緊急搬送されました。検査の結果、膣(ちつ)内の静脈が裂け出血をしていることがわかりました。最初は輸血することが少し怖かったですが「何人の血液が私の命をつなぐために使われてるんだろう」と考えると感謝の気持ちでいっぱいになりました。
まさか自分が輸血を受けることになるなんて、これっぽっちも思っていませんでした。恩返しのためにも献血をしたいですが、輸血を受けた今、献血をすることはできません。娘が大きくなった時には「輸血を受けてママは助かったんだよ」と話し、献血を勧めたいと思います。
献血をしている人にこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございました。

●日々献血場所確保のために奔走
和歌山県赤十字血液センター　山中千騎さん
(和歌山県から献血の輪を広げたい)

日本赤十字社が担う「血液事業」は、献血者を募集し、その血液を輸血用血液製剤として、治療が必要な患者さんのために医療機関に供給するまでの一連の業務を行っています。
私はその中で献血バスの配車場所を確保するため、スーパーマーケットや各種企業、行政機関などに対する協力依頼や献血会場での啓発活動などの業務をしています。また、和歌山県学生献血推進協議会の担当もしており、学生たちの活動をサポートしています。
私の業務は、事業の中でも献血者に最も近い業務だと思っています。そのため、協力いただく事の大変さや輸血用血液製剤が献血者からの大切な贈り物であることを実感しています。
一年間を通してさまざまな場所で献血を行っていますが、やはり若年層の献血者数は目に見えて減っています。学生たちも献血を推進するための活動を頑張ってくれていますが、若年層の献血者を増やすには、一人一人が「自分ごと」として捉えることが大切だと思います。
献血をすることに「きっかけ」はいりません。献血バスなどを見かけたら、ぜひ一度声をかけてください。
あなたの優しさが誰かの大きな助けにつながります。

■はじめての献血
市内在住　中村凛さん(19歳)

友達が白血病を患い、大学をやめてしまったんです。何か力になりたいと思い、献血することにしました。時間がかかるイメージがありましたが、実際に受けてみると思ったより早かったのでびっくりしました。また、看護師さんがフレンドリーに話しかけてくれたので、リラックスできました。
思ってたイメージと全然違うので、みんなもぜひやってほしいです。スマホさわってたら終わります(笑)僕の血で誰かの役に立てるのであれば、これからも続けていきたいです。

■採血後の血液は入念に検査され輸血用血液製剤に変わります
▽採血されたままの血液、すなわちすべての成分を含んだ「全血製剤」の輸血が主流でしたが、現在では、患者さんが必要とする成分だけを輸血する「成分輸血」が主流となっています。
輸血用血液製剤には、「赤血球製剤」「血漿(けっしょう)製剤」「血小板製剤」「全血製剤」があり、医療機関への全供給数のうち、「赤血球製剤」「血漿製剤」「血小板製剤」でほぼ100%を占めています。
・赤血球製剤…採血後28日間使用可能
・血漿製剤…採血後1年間使用可能
・血小板製剤…採血後4日間使用可能

■市内の献血日程
市は和歌山県赤十字血液センターの献血事業に協力しています。紀の川市役所本庁、各支所、各企業などに毎月献血バスが配車されていますので、協力よろしくお願いします。
・献血の予約は献血Web会員サービス「ラブラッド」を利用ください。予約なしでも受付可能です♪

7月は愛の血液助け合い運動月間です!
日時・場所：
(1)7月14日(日)午前10時～正午・午後1時～4時30分/MEGAドン・キホーテ紀の川店
(2)7月17日(水)午前10時～正午・午後1時～4時/紀の川市役所南別館
(3)7月19日(金)午後1時30分～4時/公立那賀病院
(4)7月22日(月)午前10時～11時30分・午後0時30分～4時30分/近畿大学生物理工学部
(5)7月24日(水)午前10時～11時30分・午後0時30分～4時30分/近畿大学生物理工学部