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自治体の皆さまへ

特集 みんなで進めよう エリアリノベーション(1)

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和歌山県紀の川市

■地域の活力を空き家で
人口減少や市街地への人口集中が進む中、全国的に空き家の増加が問題となっています。こうした状況に対処するため、空き家や空き店舗など、既存の地域資源の新たな使い方を考えて地域の活力を向上させる取り組みが「エリアリノベーション」です。地域の特性を生かした新たな事業や雇用を増やし、コミュニティ再生やまちのにぎわいを創出します。
紀の川市では、空き家の利活用による新たな価値を創造し、空き家が発生しにくい地域づくりを進めるため、令和5年度から打田・粉河エリアでエリアリノベーション事業を推進しています。民間事業者と連携し、紀の川市内にまちづくり会社を2社設立。地域のみなさんや事業者とともに、空き家・空き店舗を利活用した取り組みを進めています。

■官民の力で新たな価値を
エリアリノベーション事業の大きな特徴は、民間事業者が主体となって運営し、市がこれを支援するという点です。この官民連携のまちづくりの推進には、総務省の「地域活性化起業人制度」を活用しています。この制度は、三大都市圏に所在する民間企業などの社員を、そのノウハウや知見を生かして、一定期間地方公共団体に派遣し、地域活性化に向けた幅広い活動に従事してもらうものです。
打田・粉河エリアには、それぞれ地域活性化起業人が1人と地域おこし協力隊が2人勤務しており、エリアリノベーションの担い手として日々奮闘しています。
今回の特集では、打田・粉河エリアに新たな価値を創造するため、日々まい進する人たちの活動内容や思いを紹介します。

●[打田エリア]人と人、活動と活動がつながる場所に
地域活性化起業人 二瓶直樹さん

打田駅前に令和5年12月にオープンしたカフェ・コミュニティスペース「メリーズハウス」。築100年、10年以上空き家だった古民家をリノベーションし、利活用しています。
運営するのは、東京都台東区に本社がある株式会社CASEです。令和4年8月から紀の川支社の二瓶直樹さんが「地域活性化起業人」として紀の川市に出向し、打田エリアの活性化を目指して活動しています。
かつて、打田駅から北に延びる道沿いには多くの商店が立ち並んでいましたが、道路整備や自動車の利用が普及したことなどにより、駅前の人通りは徐々に減少。二瓶さんも着任後、人通りの少なさを感じたといいます。そんな中、「打田駅前商店街の活気ある姿を地域の人に感じてもらいたい」との思いから、打田駅前自治区のみなさんと協力してイベントを企画。令和4年11月に「竹灯籠と小さなお祭り」を開催し、2日間で延べ1000人もの来場者でにぎわいました。「着任して間もなかったので、ただがむしゃらに取り組みました。祭りには地域のみなさんはもちろん、地域外からも多くの人が訪れてくれました」と振り返ります。
「地域の人同士が顔を合わせて交流が生まれる、そんな場所をつくりたい。地域活性化の一番の魅力は、その地域に住んでいる人です。ここに来ればこの人に会える、そんな場所を目指したい」と話す二瓶さん。その思いは形になり、メリーズハウスには地元の野菜・果物、常連の人が定期的に届けてくれる花など、地域のみなさんの手作りの温かさを感じられる物がたくさん並んでいます。「メリーズハウスは、人と人をつなぐ場所。ここで出会った人同士が新しくコミュニティを作ってつながることで、新たな取り組みが生まれてほしい」と話します。
現在、メリーズハウスに隣接する空き家のリノベーションも進められており、地域おこし協力隊が中心となり、地域のみなさんと一緒にDIYを行っています。さまざまな人が出会い、つながる場所を目指して。場づくりを通したつながりの輪は着実に広がっています

▽地域おこし協力隊 川口玲さん
新潟県加茂市出身
令和5年5月着任
着任当初は不安もありましたが、地域の人たちが温かく受け入れてくれ、みなさんとの交流を楽しんでいます。今後はマルシェを開催するなど、さまざまな人が楽しめる居場所づくりを進めたいです。

▽地域おこし協力隊 岩前智哉さん
京都府相楽郡精華町出身
令和5年5月着任
ものづくりやリノベーションに興味があり、DIYワークショップを開催しています。多世代、他属性、多職種の色々な人が集まってつながり、楽しみながら色々な接点を作れる場所を作っていきたいです。

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