■ニホンジカ頭数調査「ライトセンサス」
地域おこし協力隊 阪倉 祐貴
町内、特に農地や山間部は毎年鹿の姿を見かけることは日常茶飯事ではありますが、今年の夏は「シカの姿を見ることが特に増えた。今年は特に頭数が多くなっている気がする」という皆様からの声を至る所で耳にしました。しかし、野生動物の被害対策を計画的に行うためにはその動物の生息数や増減の傾向をきちんと把握することが重要であり、「気がする」という主観的な感覚ではなく、「数字・記録」といった客観的なデータが必要になります。
色川地区内の鳥獣害対策協議会では地区内のシカの生息数を中長期的に記録し増減の推移を比較していこうと、「ライトセンサス」と言われる調査が行われました。この調査は、夜間に車でゆっくりと走りながらライトで周囲を照らし、野生鳥獣の姿や目の反射をもとに、どの動物をどこで何頭目撃したかなどを計数・記録していく調査方法です。イノシシやクマの頭数調査にも用いられることもありますが、今回はニホンジカに絞った調査でした。同じ時間帯に同じ道を定期的に調査することにより、その地域のシカの分布を把握することができ、さらに長期的に調査を継続していくことでシカの生息数の増減の客観的な数値データを導き出すことができます。
色川鳥獣害対策協議会では今年の7月からこの取り組みが始まり、すでに3回のライトセンサスが実施されました。増減の比較はまだできていないものの、ある程度のシカ生息の分布は明らかになりました。それらのデータを活用し、集落柵の設置などの防除対策や、大型檻の設置や罠猟師による一斉駆除などの捕獲対策を検討しながら、さらにシカが頻繁に現れるエリアを記した「シカハザードマップ」を作成し住民への注意喚起などもしていくとも話しています。
私たち集落支援はこのような集落で行われる対策活動をお手伝いさせていただいています。地域として鳥獣害対策の取り組みを行いたいという希望があれば、助言・サポートさせていただきますので、ご気軽にご連絡ください。
・運転手1名・記録1名・調査員2名の4人体制で行われました。
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