■通いの場から始まる地域の輪
『通いの場』とは住民を主体とした、定期的に開かれるさまざまな活動の場です。その効果は多岐にわたり、介護予防、認知症予防、引きこもり予防、住民同士のつながり強化、生きがいづくりなどを、参加する側にも運営する側にももたらします。
那智勝浦町内にもさまざまな通いの場があります。そんな通いの場のひとつ、『いきいきサロン浦神西』では、サロンのお世話をしてくださっている5名の方が、役割分担しながらサロンを月1回運営されています。サロンでは体操したり、歌を歌ったり、さまざまなレクリエーション、お茶会などが行われ、笑顔や活気にあふれています。開始前には参加者の血圧を測ったり、バスの運行表が新しくなったら、それを浦神分だけ大きくしたものを作って配ったり、地域行事の連絡をしたりと、健康づくりや自立した生活、地域とのつながりを維持するための工夫が見られます。参加されている方も、運営されている方も、ご自身の健康づくりを楽しみながら行うことができる、素敵な通いの場のひとつです。
日本全体での高齢化率が近い将来30%に達することが見込まれている中、那智勝浦町ではすでに高齢化率44%を超え、もはや高齢化の先進地です。一方、『高齢者の5人に1人は独り暮らし』、『高齢者の5人に1人は認知症またはその予備軍』と言われています。つまり、『那智勝浦町民の100人に44人は高齢者』で、『100人に8、9人は一人暮らし高齢者』、『100人に8、9人は認知症またはその予備軍』、『100人に1、2人は独り暮らしで認知症またはその予備軍の高齢者』と推計されるのです。
これは他人事ではありません。来年度以降、団塊の世代が後期高齢者に突入します。今は元気でも、誰かの手を必要とする人は、これからあなたの周りにも加速度的に増えていきます。
手助けを必要としている方たちのため、将来の自分や家族のため、住み慣れたその地域で末永く、自分らしく暮らしていけるよう、通いの場や、さらに踏み込んだ支え合いの仕組みづくりを始める時が来ています。
文・生活支援コーディネーター
お問い合わせ先:
・福祉課高齢者支援係【電話】29-7039
・社会福祉協議会【電話】52-5252
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