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世界遺産を読み歩く ー学芸員通信(全12回)ー

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和歌山県那智勝浦町

「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年記念連載
世界遺産を読み歩く ー学芸員通信(全12回)ー

■第2回「世界遺産ってなに?」
世界遺産といえば、皆さんはどういったものを思い浮かべるでしょうか。本町でいえば、那智の滝や中辺路などがありますね。世界全体でみると、1,199件(うち文化遺産933件、自然遺産227件、複合遺産39件:令和5年10月現在)が世界遺産に登録されています。このうち、日本国内では文化遺産20件、自然遺産5件があります。「紀伊山地の霊場と参詣道」は国内で12番目に登録されました。
世界遺産は世界遺産条約によって定められています。この条約によると、世界遺産とは「顕著(けんちょ)な普遍的価値(ふへんてきかち)(Outstanding Universal Value:OUV)」を持ち、人類共通の財産として認められたもののことです。そのような遺産を失うことは人類にとっての損失です。そのため、世界中が協力して保護していくことを目的に作られたのが、世界遺産登録制度になります。
では、この「顕著な普遍的価値」とは一体どういったものなのでしょうか。簡単にいってしまえば、「世界中のどんなひとでも、その遺産について素晴らしいと感じるような価値」です。世界遺産登録制度では、10個の評価基準があり、そのうちの1つを満たすことで「顕著な普遍的価値がある」と認められます。ちなみに、「紀伊山地の霊場と参詣道」では4つの評価基準によって、それが認められています。
また、顕著な普遍的価値の証明として評価基準のほかにも、保護管理体制および、真正性・完全性の条件を満たす必要があります。
保護管理体制とは、遺産が将来にわたって確実に保護されていくために国内法で適切に守られる体制のことです。日本では文化財保護法などによる保護がこれにあたります。
真正性とは、その遺産が地域の文化の独自性や伝統を継承していることです。完全性とは、遺産の価値や重要性を示す要素が過不足なく含まれ、維持されていることを指します。
これらの条件を満たしたうえで、世界遺産委員会の承認を得た遺産が、世界遺産に登録される、というわけです。もちろん、「紀伊山地の霊場と参詣道」もこうした点を満たしています。
次号は、このような条件を満たして登録された世界遺産には、どのようなものがあるのか、紹介したいと思います。
文・前田愛佳(学芸員)

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